黙然日記(廃墟)

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産経iRONNAの人気映画。

 暑いのでカレーライス、といっても、カレー部分はよくてもライス部分が喉を通りません。カップ麺にカレー粉を足してなんとか。鴨南蛮→鴨せいろみたいに、カレー南蛮→カレーせいろってあるのかしらん。

【iRONNA発】朝日新聞の欺瞞と独善−その根本は「均衡中立性崩壊」にある - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150712/clm1507120009-c.html

 新聞休刊日なので、産経新聞の論説サイト・iRONNAから適当な記事を拾ってみました。しかしこれ、そもそも記事の体裁をなしていないのです。見出しや冒頭に署名なし、リードの後に《(iRONNA)》と書いてあるから、無署名で媒体が文責を負う記事なのかと思って読み進んでいくと、《私》という一人称が出ててきます。混乱しながら読み進めていっても、最後まで「by〜」に相当する表記がないまま、古田博司氏のプロフィールが紹介されています。つまりあの、産経新聞本紙「正論」欄や雑誌「正論」などでおなじみの古田氏*1による署名記事ということなのでしょうが、署名がどこにもない署名記事というのは初めて見ました。それとも古田氏らしく、文責から逃げているのでしょうか。
 内容についてはお話にならないもので、混迷の現代に置いては国同士の中立点など存在しないのに、朝日新聞マスゴミの中立性にすがっていて、結果として他国側に転落している、というものです。国同士の合意点とマスコミの中立性を混同した議論に過ぎません。たとえば、これが産経新聞記者という媒体側の人間による文章か、古田氏といういちおうは外部の筆者によるものかで文章の意味がまったく変わってくるのですが、そうした視点の移ろいのなかで中立点を求める努力は無意味なものではありません。ぶっちゃけ、古田氏がいくら偏見に凝り固まった文章を発表しようと(仮定ではなく現実ですが)それは自由なのですが、産経新聞記者が産経新聞の文責で偏った記事を出すことは、現代でも許されないのです。産経記者の大半がそれを理解していないのが大きな問題ですが。
 「メディアの中立性」と「メディアには権力批判の義務がある」は、考えてみれば厳密には矛盾するわけですが(産経の権力すり寄りはそれ以前の問題です)、厳密に中立が保てない場合は自分が属する勢力(国家)の権力を批判する側に意識的に傾いた方が安全ではあります。それが(過去の)軍事国家であれば、どうするべきかは言うまでもありません。「混迷の現代だから従来の(確立した)価値判断に縛られる必要はない」といのは、アウトローのよく持ち出す理屈です。『マッドマックス』じゃないんですから。

*1:今回から[furucchi]タグを新設しました。