産経が藪の手前のタケノコ。

　いくら米最高裁判決を受けてFacebookやTwitterを虹色に染め上げようが、一方でロリコンマンガを弾圧する輩は、本当の意味で性的少数者の苦悩なんか理解できていないのです。

【主張】世界遺産登録　喜びに水さす歴史介入だ - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150707/clm1507070003-c.html

【産経抄】約束の重みの違い　７月７日 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150707/clm1507070004-c.html

【編集日誌】歩み寄りは幻想か - 産経ニュース

http://www.sankei.com/column/print/150707/clm1507070006-c.html

　まあよくも並べたものですが。「編集日誌」は島田耕編集長。
　世界文化遺産に原爆ドームが登録された当時のことが、なぜか記憶にないのですが、「日本の歴史が世界に認められたぞバンザイ」なんて言ってる奴ぁいなかったと思います。世界遺産登録はおめでたいばかりの話ではないし、人類が共有する文化遺産として認められたという話であって、申請国の独善を追認するものでもありません。
　産経抄、韓国やギリシアの例を引いて《世論におもねる指導者の下で、国際社会の信用を失った国が、どんな運命をたどるのか》と嘆じていますが、世論の多数派ならまだしも、ネット上のノイジー・マイノリティーにおもねる首相を持ってしまった国は、不幸の極みです。そもそも、世論の多数派に従うのはそんなに悪いことでしょうか。エリート政治家が大衆を善導するという発想には、警戒する必要があります。
　「主張」はもう歴史修正むき出しで、安倍晋三政権が朝鮮人労働者の強制徴用を認めたことは禍根を残す、とか言っているわけです。安倍政権にしては珍しく前進したと言うべきところなのに、なんでも禍根だ禍根だ言ってりゃ済むと思ってるんですね。ああ、あなたは付き添いの人ですか。禍っ根湯を差し上げましょう。