黙然日記(廃墟)

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産経論説委員の無責任。

 マスメディアによる世論調査の結果を疑ってみることは大切ですが、疑い方が間違っていてはどうにもなりません。「(自分の思い通りの結果ではないから)マスゴミ世論調査はすべて捏造」というのでは、すべて鵜呑みにするのと同レベル、いやそれより悪いでしょう。統計学の知識と、なにより数学的素養が必要なのですが、そういえばこと数学に関しては「学生時代勉強しなかった」と言って威張る人が多いから困ったものですね。悪徳商法に引っかかるのもこういう人たちです。

【日曜に書く】料金の高止まり続く電源構成 論説委員・井伊重之 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/column/print/150524/clm1505240007-c.html

 はいはい、いつもの原発推進論です。今回は火力ではなく、再生可能エネルギーへの言いがかり。再エネは買い取り制度による負担金が大きいからコストが高い、これから少子高齢化が進むのに国民に負担を押しつけるのか、といういちゃもんですが、どうしたものでしょうね。言外に、だからコストの安い原発にしろ、と言っているわけですが、原発のコストが安いなんてのは虚妄であることはとっくにばれています。運用期限が40年で廃炉に40年かかるのに、トータルコストが安いわけがないことぐらい、子供にでもわかります。だから、表だっては「原発にしろ」とは言っていないわけですが、再エネだめ火力だめ原発は言わない、ではどうしろと井伊委員(打ちにくいな)は言うのでしょうか。こんな無責任路文章はありません。
 資源小国の日本にとって、エネルギー安全保障を言うならなおさら(ウランはすべて輸入、原子力燃料の処理はフランスに依存しています)、再エネしか選択肢はありません。多少コストがかかっても歯を食いしばって推進していくべきだし、買い取り制度に問題があって不当に儲けるような輩がいるなら制度を見直せば済む話です。井伊委員は、前向きにものごとを考えるという訓練をしていない人なのでしょうか。