黙然日記(廃墟)

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産経阿比留氏の荒唐無稽な史観。

 ブラジル音楽もバッハも好きだけど、「ブラジル風のバッハ」は好きじゃない。なぜだ。

【阿比留瑠比の極言御免】「世界征服のための戦争だった」 荒唐無稽な「共同謀議」史観 - 産経ニュース
http://www.sankei.com/politics/print/150522/plt1505220004-c.html

 大日本帝国がヨーロッパやアメリカを攻め滅ぼそうとした戦争ではない。それはその通りで、ポツダム宣言の表現は誤っている、少なくとも過大であると言えるでしょう。しかし、ドイツ・イタリアと世界の分割支配を企み、日本がアジアを担当したと考えることはできます。阿比留氏は、対米英戦争だけ取り上げて「追い詰められた自衛戦争」というおなじみの歴史修正史観を言い張っていますが、追い詰められたそもそもの理由が対アジア侵略戦争にあることは、てれっと無視しています。おまけに、ポツダム宣言が《戦いを有利に進めていた日本の戦争相手国が出したもの》とか言っていますが、これは史観とか言う前に、どこのパラレルワールドの史実ですか。『艦これ』のやり過ぎではないのですか。
 ポツダム宣言東京裁判の根底にある共同謀議論を否定するなら、それでは日本が、対米英はさて措くとしても、対アジア戦争をなぜ始めたのか、という疑問に答えてもらわねばなりません。土地と資源を求めた、侵略戦争ではないのですか。
 ところで、このコラムで阿比留氏が憲法19条を引用しているのは、なんかのギャグですか。わたしには笑いどころがよくわからなかったのですが。民主的価値観を受け入れる必要はない、と同じ文章ないで言っている阿比留氏が。