黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「正論」の挙国一致。他。

【正論】井上寿一氏 「成熟民主国家」へ国策の共有を:イザ!
http://www.iza.ne.jp/kiji/column/print/150112/clm15011205010001-c.html

 いつまで「年頭にあたり」をやっているのか知りませんが、井上氏の登場です。いつのまにか、学習院大学学長になっていたのですね。最近、皇族の学習院離れが云々されますが、正しいご判断と言わざるを得ません。
 ああそうですか、と思うようなところもあるのですが、最後の方と見出しがいただけません。二大政党制が実現するためには、二大政党の間で国策が一致していなければならない、そうでなければ民主主義国家とは言えない、というのですが、そのフーセンみたいな頭に、いったいどこからそんな考えを吹き込まれたのでしょう。おそらく、米国「のみ」を念頭にそんなことを言っているのでしょうが、まるで欧州各国は民主主義国ではないみたいです。二大政党制がはたして本当に民主的か、というところから考えてみるつもりも、たぶん能力も、なさそうです。

日本国憲法ヒトラー日記の贋作完成度:イザ!
http://www.iza.ne.jp/kiji/life/print/150112/lif15011208590002-c.html

 ここで扱うのはひさしぶりになりますね、【野口裕之の軍事情勢】です。「日本国憲法は贋作だ」といっていろいろ贋作の例を並べるのですが、「贋作」という言葉の意味がわかっていないようです。日本国憲法が贋作なら、どこかに「本物」の戦後憲法があるということになりますが、そんなのはのぐっちの脳内にしか存在しません。「日本国憲法は無国籍憲法」というのも、うまいことをいっているつもりで、まるでものごとを理解していないことを露呈しています。日本国憲法成立の当時は国際連合成立と同時期で、帝国主義と民主主義のイデオロギー対立が第二次世界大戦によって恒久的に解決され(たと信じられ)、インターナショナリズムに多大な期待が寄せられていた時代です。そうした時代背景があっての日本国憲法の理想主義であり、それが国民に圧倒的に支持されたわけですから、のぐっちら一部のナショナリストが「俺たちの考えが反映されていない」と不満を言うのは、もちろん言うのは自由ですが、まったくもって理解力不足です。いつものように、憲法前文の《平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して》に噛みついていますが、これも上記の前提を把握していないことを示すと同時に、根本的な頭の悪さも提示しています。いったい憲法前文のどこに、「無法国家の公正と信義に信頼」と書いてありますか。書いていないことにいちゃもんをつけているのですから、頭が悪いか、捏造(のぐっち用語では贋作)に基づいた虚偽の批判でしかありません。
 条文にもいちゃもんをつけていますが、非常事態条項がないことへの批判は、誰の入れ知恵なのでしょうねえ。東日本大震災の前は(阪神淡路大震災の後でさえ)、そんなこと誰も問題にしていなかったと記憶しています。「メディアは反米なのに米国押しつけ憲法を支持する」とも言っていますが(どうやら産経新聞はメディアではないようです)、平和憲法制定後、その内容に反する再軍備への道を押しつけてきたのが米国です。矛盾しているのは米国の方で(これはさほどの問題ではないと思いますが)、リベラル系マスメディアは一貫しています。米国の再軍備押しつけに日本国民が総意として憲法を守ってきた60年以上の歴史を考えれば、「平和憲法は日本が誇るべきもの」と言っていいでしょう。まあ、放置していても年が改まっても、のぐっちはのぐっちのようです。