黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経の自治体キャンペーン。他。

 4/23分です。

自治体が危ない】福岡県太宰府市が外国人に住民投票権付与を検討 制定全国で進む(1/6ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140423/lcl14042321230002-n1.htm

 はーい。「島が危ない」「水源地が危ない」などに続き、産経がまたトンチキな企画をおっ始めました。今回は昔懐かし、外国ニンジン政権、いや外国人参政権問題です。あれだけ騒いでいた連中は、どこへ行ってしまったんでしょうねえ。あ、産経にいるのか。
 いきなり《違憲である地方参政権付与》という産経発のデマを前提にしているのですから、先が思いやられます。太宰府といえば律令時代から半島や大陸への窓口だったわけですが、その開放の気風が残っているのでしょうか。産経は単に《古代から大和朝廷の拠点》としか書いていなくて、太宰府という都市の性格を把握しているのか疑問です。太宰府市を国際都市と認めてしまうと、住民投票権付与への批判がしにくくなるから、わざと避けているのかもしれませんが。
 各地の自治体で、自治体基本条例の制定が進んでいることを、なぜか問題視しています。市民の参加を強調したり、基本条例だけに上位規定であることを「おかしい」と指摘するのですが、市政に市民が参加してなにが悪いというのでしょうか。いちゃもんの付け方が間違っています。「市民」とか「国民」とか大っ嫌いですよね、産経は。好きなのは「臣民」でしょうか。
 そしてさらに、《いずれの条例にも、全日本自治団体労働組合自治労)の影がちらつく》。陰謀論キター!! こうではなくては産経の連載企画は面白くありません。そして、地方自治が主体であり国家は補完的とする松下圭一氏の補完性原理が根幹にあり、それはさらに国家解体へとつながる、《自治基本条例の真の狙いは、定住外国人への地方参政権付与にあることが分かる》と飛躍していきます。産経の振り回す「外国人参政権違憲」論は、さんざん批判されているので繰り返すまでもないでしょう。
 ともあれこの記事は、外国ニンジン政権の恐怖を強調し、陰謀に世っす勧められている自治体基本条例の危険性を訴えて終わります。最後の最後に八木秀次氏がコメントを寄せているのですが、肩書きが高崎経済大学ではなく麗澤大学教授になっています。さすがに、公立大の肩書きでいつまでもあんなこと書き散らかされちゃ迷惑だったんでしょうねえ。「プロ市民」なんてネットスラングを堂々と使うようではね。条例制定を進めているのが自治労だけでなく民団や解同地球市民の団体だ、と根拠もなく断定しているあたり、実にもう八木ちゃんです。まあそんなわけで、「自治体が危ない」。署名は奥原慎平記者。このブログでは初出ですが、楽しみな人材の登場ですね。

【主張】「教員選挙」人事 非常識な実態早く是正を(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140423/edc14042303260003-n1.htm

 ついでに似たようなアレを。こちらは自治労ではなく日教組陰謀論です。いや、直接は日教組を思わせるようなことは書いていないのですが、産経が「学校現場の悪しき慣行」などという場合は、たいてい日教組のことを意味するものですから。そして教員の自主性を弾圧して国や首長の言いなりになれ、と唱えるわけです。