黙然日記(廃墟)

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産経「正論」の進化論。

 3/19分です。

【正論】「おひとりさま」の勧めは無責任 高崎経済大学教授・八木秀次(1/4ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/140319/trd14031903180001-n1.htm

 上野千鶴子氏の山梨市での講演会が中止になりかけたことに快哉を叫び、リベラルやフェミニストの発言権をできるだけ奪おうとする、産経「正論」八木氏です。八木氏はこれを、1996年に櫻井よしこ氏の講演が抗議により中止された事件と比較して、行って来いだ、みたいに扱っているのですが、「従軍慰安婦は存在しなかった」という主張に抗議が来るのは当たり前で、「一生独身でも安心して暮らせる社会を」という講演が抗議される理由はわかりません。八木氏が以下延々と、なぜ上野氏が抗議されるべきかを説明してくれているのですが、それでもわかりません。
 八木氏によれば、国家が社会保障制度を維持するために家族の価値を唱えているのだから、独身の勧めなどは許されない、というのです。まったく理解できません。国家があって人間がいるのか、人間があって国家があるのか、ここのところで八木氏や産経の考え方が本末転倒しているせいではないでしょうか。人はすべて適齢期になったら結婚して標準家庭を作りそのまま年を取り、社会保険の標準コースどおりに生きろ、という要求は、どう考えても理解できません。独身を通す場合も、やむを得ず離婚する場合もあるでしょう。そうした生き方に配慮し、フォローするのが、公共の役割です。国家というのは人間が生きやすい社会を作るための一種の互助会なのですから、これはあたりまえの話です。こうしたあたりまえの考え方をせず、国家が先に生まれてそれに合わせて人間が発生した、という奇想天外な進化論を唱えるのが、八木氏や産経周辺の人々の特徴ですが、いったいどういう教育を受けたらこんな考え方になるのでしょうか。八木氏が理事長を務める日本教育再生機構のドグマなのでしょうか。インテリジェントがデザインしたとか。