黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の五寸釘。

【主張】「河野談話」検証 結論ありきは納得できぬ(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140312/plc14031203280004-n1.htm

 思いどおりの結論じゃないと納得できないそうです。子供かよ。
 もうありきたりの、典型的な歴史修正主義従軍慰安婦問題否認派の立場を振りかざして、なにがやりたいんでしょう。自虐プレイでしょうか。《「従軍慰安婦」という戦後の造語》とか、何年も前、どころか2674年前には論破されていたような難癖が、いまだに通用すると思っているのですから、度しがたしです。(念のため、「神武」は後世の諡号、「天皇」も後世使われはじめた言葉で、造語を否定したら歴史の話なんかできない、という皮肉です)。内輪の読者はそれでだませるかもしれませんが、外部に向けての「社説」だとはとても思えない代物です。
 現在の安倍晋三政権はなんとかかろうじて、河野談話の見直しや破棄はしない方針のようです。まあ、これだけ世界中から、特に米国から警告されたら、安倍氏にその蛮勇はないでしょう。ではなんのために「検証」しているのかというと、産経など国内右派のためのポーズであるという指摘は、たぶん正しいでしょう。あるいは、なにか決定的な(と本人たちが思う)証拠を見つけ出して、見直しに向けて暴走する気まんまんなのかもしれませんが。どちらにしても、現在の「検証」に、あらゆる意味で意味はありません。これを「結論ありき」とするのは言葉の使い方だけの問題ですが、まあ無駄なことは確かです。やめてしまうべきなのですが、ポーズは崩せないのが安倍政権なのでしかたないかもしれません。どちらにしろ、というのは国際環境からも学問的証拠からも、河野談話破棄という選択肢はありえないので、産経がなんのために「見直し」を強硬に主張しているのかわかりません。状況が見えていないのか、あるいは、象徴としての談話を破壊すれば従軍慰安婦問題という本体も破壊できるという、合理主義以前の呪術的信仰に陥っているのでしょうか。謎です。♪こーんこーん こーんこーん 釘を刺す