産経のうんざりさ。

【編集日誌】「東海」法案にうんざり - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140214/kor14021413220002-n1.htm

　五嶋清編集局総務が、またこの手の紙面と関係ないコラムです。「東海」併記（単記）法案を次々に米国各州に提出する韓国側に《うんざり》と言われても、そのたびごとにこうして騒ぐ産経新聞にこちらは「うんざり」です。内政干渉もいいところです。これはなにかというと、「この州（国）でも公立学校で民族教育を」という法律で、多民族国家においては当然のことです。民族教育は祖先の地に関する正しい地理と歴史の認識から始まります。アイルランド系移民にはアイルランドの、アフリカ系にはアフリカの、正しい地理と歴史を学ぶ権利があります。もちろん、韓国系米国人と日系米国人の間に差別があってはなりません。こうした当然の前提を無視した産経の偏狭な報道姿勢は、ますます過熱しています。うんざりです。

【産経抄】飛んで火にいる　２月１４日（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140214/plc14021403360001-n1.htm

【主張】村山氏訪韓　「反日宣伝」利するだけだ（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/140214/kor14021403380000-n1.htm

　産経の、村山富市元首相と韓国への嫌悪は、どこまで深いのでしょうか。その両者が接触したのですから、それはもううんざりするほどの大騒ぎです。河野談話と村山談話（と小泉談話）は日本国が内閣として継承しているのですから、本人の談話か否かにかかわらず、元首相が支持を表明するのは当たり前です。なにも「竹島を譲る」とか政府解釈に反する発言をしたわけでもあるまいし、なにを憤っているのかわかりません。問題があるとしたら、元従軍慰安婦への個人補償に言及したことで日韓基本条約に抵触するのではないかという指摘ですが、そもそも条約というものの性格は政府間の取り決めであって、「最終的に解決」という表現が個人から政府への請求権を制限するかどうか、直感的に理解できないものがあります。
　「村山氏は韓国の反日宣伝に協力している」という産経の非難はどうでしょうか。韓国の「反日」というのがそもそも、「反・日本」ではなく「反・日本の歴史修正主義」なのですから、それに協力するのはリベラリストとして当然です。繰り返しますが、なにも領土問題での「反日」に協力したわけではありません。産経が百万回「歴史修正主義＝国益」という詭弁を弄したところで、それが真実になるというものでもありません。村山氏は村山氏の国益を考え、堂々と意見表明したに過ぎないでしょう。