産経「主張」の監視カメラ観。他。

【主張】黒子のバスケ　社会への脅し容認するな - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131122/crm13112203270000-n1.htm

　この連続脅迫事件は同人誌即売会への脅迫事件から始まっており、わたしにとっても他人事ではありません*1。同時に、悪辣かつ陰湿な暴力を持ち出しての脅迫は、社会全体への挑戦であり看過することができないという産経「主張」の主旨には、全面的に賛同します。しかし、コンビニ毒物事件で監視カメラに怪しい人物が映っていた、監視カメラは万能である、市民生活など犠牲にしてかまわない、という論に展開していくことには、強い疑問を覚えます。事件はなにひとつ解決しておらず、監視カメラが役立ったという論拠にはなりません。人物の映像と事件との関わりも、まだ明らかではありません。監視カメラに写っていたのは、たまたま風邪を引いた人物かも、たまたま日光に弱くてマスクと手袋を手放せない人物かもしれません。もちろん警察はそうした可能性を考えて捜査しているはずですが（嫌味）、新聞が決めつけるようなことではありません。監視強化社会を理想とするメディアが、その本来の機能である権力監視機能を果たせるのでしょうか。もう1本の「主張」*2では、特定秘密保護法案に対して珍しく比較的まともなことを書いているだけに、この監視カメラ万歳の姿勢には強い疑問を覚えます。

お台場カジノ、２４時間型　中心に巨大ホテル、総合リゾート＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131122/biz13112207150000-n1.htm

　監視社会万歳、道徳を強制して道徳教科書を作ろうかという企業グループが、一方ではカジノ開設をもくろんでいますよ。

*1:即売会への脅迫と書店・コンビニ等への脅迫は別の便乗犯である可能性もあると思いますが。

*2: http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131122/plc13112203280001-n1.htm