黙然日記(廃墟)

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産経の黒歴史観。

教科書改革 慰安婦・拉致…偏向的な記述、後絶たず - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/131116/edc13111610030001-n1.htm

 従軍慰安婦問題についてはもーともかくとして、拉致問題に関する一部の(具体的には実教出版の)教科書記述が“偏向”しているのだそうです。〔小泉内閣でこれこれこういう進展があったが〕《その後の〔第一次〕安倍内閣は、拉致問題などで圧力を強める政策をおこなった》という記述が、産経に言わせれば《政府の立場に反する記述》なのだそうです。なにがどう反しているのか、まるでわかりません。第一次安倍内閣が圧力姿勢を取ったことは事実ですし、圧力によって解決すると(いちおうは)考えていたのでしょうから、政府批判であるとすら言えません。単なる事実の記述です。こうなると、産経新聞下村博文文科相安倍晋三首相周辺が、圧力によって解決できなかったことを黒歴史として扱い、記述することすら許されないと考えているようにしか見えません。もちろん、アニメならともかく*1現実の世界で、黒歴史を作ってはならないことは当然です。それにしても、ひどい記事もあったものです。

*1:アニメ作品『ターンAガンダム』においては、戦争という現実を黒歴史として封じ込めても、結局人類は戦争の道を歩むのだ、という寓話の道具として「黒歴史」が扱われています。