黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の特定秘密保護法案観。

【主張】秘密保護法案 報道の自由踏まえ成立を - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/131022/plc13102203240001-n1.htm

 日本に軍隊がある以上、軍事機密があること、あるいはそれ以外の国家機密が存在することは理解しますが、それは国民の知る権利と両立しなければなりません。具体的には、秘密の必要がなくなれば、あるいは三十年などの期限を切って、いずれ公開することが前提になります。国民主権のもと、国家のリソースはすべて国民の所有に帰しますから、機密だろうがなんだろうがあらゆる情報は国民に公開されることが前提なのです。これが「国民の知る権利」の本質です。産経「主張」にはこの観点がありません。これは、もとの特定秘密保全法案政府案にも共通した問題で、与党特に公明党との協議で多少修正されましたが、さらに国会論戦で野党にはがんばってもらわねばなりません。
 産経はさいきん、国家機密に当たるであろう元慰安婦証言をスクープしましたが、その立場から「報道の自由」ばかり押し立てて、この法案に対して「国民の知る権利」という観点がない、おそろしく視点の低い論になっています。なにをかいわんや、です。