黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の労働規制観。

【主張】政労使協議 脱デフレへ共通認識持て+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/130922/fnc13092203150000-n1.htm

 賃上げがなければ経済の末端に血流が回らず、デフレ脱却も景気好転もありません。そんなことは常識なのですが、産経「主張」はこの1年間、この単純な経済原則の基本を無視してきました。ところが、政府が政労使協議の場を作ると、とたんにこういう社説を出します。安倍晋三政権に建設的な提案をするのではなく、その行動に追従するだけの存在であることがよくわかる一例です。
 そういうわけでこの「主張」の1ページ目、経済学の基本を説きベースアップの必要性を言うまではいいのですが、2ページ目になるとおかしくなります。現状の労働規制を緩和して企業に活力を、というのですが、どういうことでしょうか。現在安倍政権は、ホワイトカラーエクゼンプション(残業代ゼロ)や馘首の自由化といった、企業にだけ都合がよく労働者に苦痛しか与えない制度の導入を(いまだに)たくらんでいます。そうした政策に産経は賛成する、ということです。労働力自由化の美名に隠れた労働者搾取制度が現在のデフレや不況をまねいているのだということを、理解していないというか認めたくないのだろうと思います。