黙然日記(廃墟)

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産経抄の艱難観。

産経抄錦織圭選手、13歳で一人米国に渡り ライバルたちの嫌がらせも+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/130513/edc13051303110001-n1.htm

 最近「産経抄」はタイトルを付けるようになりましたが、短くまとめるという能力がないのでしょうか。この長さのコラムを2ページに分割するのも異常な感覚です。
 体罰ありうべし、という結論のために、今回は“愛のムチ”ではなく別の切り口を見つけ出してきました。ゴルフの岡本綾子氏とテニスの錦織圭選手の経験から、「艱難汝を玉にす」とか言い出しています。日経新聞AERAの記事を元ネタに一面コラムをどうかと思うのですが、それはともかく。岡本氏の場合はしごきと称した体罰と人間関係、錦織氏の場合は新参へのいじめと、艱難の内容は異なります。体罰肯定論を補強するためにいじめまで肯定するやり口です。また、お二人の場合はもともと並々ならぬ才能と努力(同義語ですが)を持ち合わせて成功に至った例ですが、若いときの苦労が本当にすべてお二人のような結果を生み出すでしょうか。「艱難汝をねじ曲げる」例の方が多いのではないでしょうか。特に体罰に関しては、才能を持った人物を潰してしまう可能性の方が容易に想像できます。努力と同義語の苦労はいくらでもするべきですが、苦労であればなんでもいいというものではありません。