黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」の日本外し観。

【主張】米韓の対北連携 日本はずし喜ぶのは誰か+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130509/plc13050903300004-n1.htm

 こういうネタになると喜ぶのが産経新聞です。バラク・オバマ米大統領と会談した朴槿恵韓国大統領が、対北朝鮮包囲網に関して、日米韓連携ではなく中国・ロシアの影響力を強調しました。そのことについて産経は「日本外しだ」と怒っているわけですが、ネタができて大助かりというのが内心でしょう。
 六者協議のメンバー、北朝鮮・韓国・日本・米国・中国・ロシアのうち、当事者の北朝鮮、事実上の当事国である韓国と、北朝鮮が対話相手として最重視する米国が六者の中でひとつのグループになり、それに対して中国・日本・ロシアは、この順番で影響力が低くなります。米韓会談で米韓協力と、北朝鮮に密接な影響力を持つ中国を特に挙げるのは正しい認識と言うべきでしょう。あとは日本とロシアにどう言及するかで、日本が米韓側に立つのは当たり前で*1、軽視されまた距離を置いているように見えるロシアをいかに積極的に協力させるかを考えるのは当然といえましょう。要約すると、朴大統領の発言は「日本が北朝鮮問題で協力するのは当たり前」というメッセージで、そこまでいきり立つようなものではありません。日本に対して歴史認識問題を重視する朴大統領への産経の反感が、こんなところに表れていると言うべきでしょう。みっともないったら。

*1:日本が拉致問題を六者協議にねじ込もうとしていたころ、「日本は米国の言いなりだから協議に参加する意味がない」と正論をぶたれたことがありましたね。