黙然日記(廃墟)

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産経取材班の家族観。

【日本を良くし強くする 国民の憲法(3)】家族尊重で少子化克服 自立と共助の国民に+(1/5ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130429/plc13042908090007-n1.htm

 「主張」での憲法要項解説が一段落したかと思ったら(たぶん明日からまたやると思いますが)、産経は一方でこういう連載もやっています。タイトルからして引用するのがためらわれるような厚顔無恥ぶりで、どうしましょう。おまえらいいから今からお堀に飛び込んで3キロ遠泳してこいよ。意味なんざねえよ、意味ねえこと言いたくなるぐらいこっちが恥ずかしいんだよ。
 気を取り直して、内容ものたうち回るぐらい支離滅裂なのですが、ツッコめるところだけツッコんでおきます。「婚外子普通の国はともかく日本は家族が基本だから、少子化対策に家族尊重を織り込んだ」。そこは、日本でも婚外子家庭(シングルマザー家庭など)が生きやすくする方法を考えるべきところでしょう。なんで婚外子を除外するのか、合理的な説明がなにもありません。若者が結婚しなくなった理由を低所得化にまで追求しておきながら、なぜそれをもたらした者の責任を追及しないのでしょうか。単身家庭が増えている理由は高齢化にあるのですが、それを理解していないように見えます。
 国民の自助を求める条文では、生活保護問題だけに問題を矮小化して、年金をどうするのかという回答がまったくありません。生活保護問題では、兵庫県小野市が制定したとんでもない監視条例を賛美していますが、ここにも合理的説明がありません。「生活保護法に「自助」が明記されているのに国民の理解が足りない」というところまではいいとして、「だから憲法改定が必要だ」という論理に、ひねった首が一回りしてちぎれて落ちてしまいました。わーい蹴っ飛ばして遊ぼう。……こんな文章を読んでいると、いい加減こっちの頭もおかしくなってきます。
 この記事は「憲法取材班」名義ですが、「国民の憲法」要項作業の経緯を考えても、安藤慶太論説委員が主導しているのでしょうね。いつぞやの「未来予想図」を読んだときの精神的インパクトとそっくりです。まあとにかく、これはひどい