黙然日記(廃墟)

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産経記者の自業自得。

【外信コラム】上海余話 日本人を面罵せよ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130425/chn13042503100001-n1.htm

 河崎真澄記者は震災取材に訪れた四川省のホテルで、日本人と名乗っただけで面罵されるという、たいへん不愉快な目にあったそうで、ご同情申し上げます。「日本人だから嫌い。理由はない。釣魚島を返せ」という従業員の言いぐさは、政治的なイシューを種にしたレイシズムそのものでしょう。それを彼女らに刷り込んだのは誰なのか、と河崎記者は問いかけます。答えるなら、それは「社会の空気」でしょう。政治家と同時に、いやそれ以上の責任で、マスメディアが作り出す「空気」です。メディアの責任が問われなければなりません。

【主張】靖国参拝 「祈りの文化」で屈するな+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130425/plc13042503170002-n1.htm

 《中国と韓国が反発している。不当な内政干渉というしかない》という決めつけから、いきなり始まっています。この「中韓が悪い」という決めつけは、何度も繰り返されます。《日本国内にも一部に、政治家らの参拝をことさらに問題視》する動きがあるとも述べています。自分たちに責任はない、悪いのは中韓と国内の一部だ、という「空気」作りです。こうした「空気」が排外主義の「空気」に変換されるのはあっという間です。日本では幸いなことに産経新聞の影響力はたいへん低く、産経記事を転載したネット記事(2ちゃんねるのニュース速報+のスレッドなど)の影響力も限定的ですから、数時間の間に同じホテル内で二人も極端な排外主義者に出会うような事態にはなっていませんが(そうだと信じたいですが)、そうした事態への道筋をつけているのは産経新聞自身です。上述の河崎記者の体験は、自身と仲間たちがしてきたことへのブーメランというべきでしょう。
 繰り返すまでもありませんが、靖国参拝が日本の伝統などというのは出鱈目です。《国のために尊い命を落とした英霊に対して尊崇の念を表するのは当たり前だ》という安倍晋三首相の発言も、「英霊」という単語を除けば正しいのですが、それが靖国参詣という形でなくてよい、むしろあってはならないことを無視したものです。死者の御霊は静かに弔うべきものです。戦死者の皆様方と自分個人が一対一、いや三百万対一で対峙する、それは厳しいものです。それを靖国という「形」に依存することで逃げようとする政治家および産経の姿勢にも、腹立たしいものを感じます。