産経新聞の道徳観。

【土・日曜日に書く】論説委員・石川水穂　積み残された徳育の教科化 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130316/plc13031603090005-n1.htm

　道徳の教科化、というより修身の復活を求める姿勢は「教育再生」関係者に共通しますが、産経新聞もご多分に漏れず熱心です。倫理や遵法、人権を教える現在の道徳の授業では役に立たず、偉人伝を取り込めばいじめを防げるという、石川記者の論拠がまずわかりません。いや、言っているのはそれだけなんですよ。今の道徳の授業と、石川記者らの理想とする修身の違いって。そしてこの主審を取り入れれば、いじめはもちろん体罰も防げるというのですが、まったくわかりません。教師から生徒への一方的な暴力を体罰というのですが、教師に修身を学ばせるということでしょうか。なにもかも日教組が悪い、というおなじみの考え方も顔を出しますが、うんざりするだけです。
　そんなことを他者である教育現場に求める前に、産経新聞は社内の倫理を徹底的に見直すべきではないでしょうか。

【産経抄】３月１６日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130316/plc13031603070004-n1.htm

　……なにこれ。倫理性のカケラもなく、隣国への敬意も見あたらず、ただの嫌韓厨のたわごとです。韓国にキリスト教系カルト宗教が目立つから韓国は異常だ、という指摘が成り立つなら、たとえば日本の仏教系カルト宗教の存在も負けていません。キリスト教系カルト宗教なら米国にもヨーロッパにもありますし、かといってカルト宗教の代表である統一協会を名指しで批判する勇気もないようです。韓国におけるごく一部の現象だけを取り出して、それがあたかも韓国社会に普遍的な特質であるかのように言い立てるのは、典型的な嫌韓厨の言いぐさです。
　「産経抄」にネトウヨ枠があるという革新はますます深まりました。こんなコラムを平気で掲載する社内の倫理観を、産経新聞社は本気で見直すべきです。