黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の主権観。

【主張】独立回復の日 主権守り抜く覚悟新たに+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130313/plc13031303250003-n1.htm

 大手紙では産経新聞だけが熱心に主張していた、4月28日の主権回復の日に、安倍晋三内閣の閣議決定により、今年から政府主催の式典が行われることになりました。ぱちぱち、おめでとうございます(棒読み)。産経の望みをなんでも叶えてくれる安倍ちゃんはまるで魔法使いですが、夜中0時の鐘がいつ鳴るか、見守っていようと思います。
 主権(独立)の回復というのは重要な出来事ですから、この日を記念することはそれなりに理解できます。しかしこれは「主権回復」で一語であって、この産経「主張」が最近の主権問題、つまり国境紛争とか拉致事件だけを熱心に語っているのは、お門違いとしかいえません。主権回復まではどういう状況であったのか、連合国に感謝と同時に隠忍の情を味わわされていたこと、さらにその前には、日本が無謀な戦争を起こし破れたことを、虚心に見つめねばならないところです。そうした歴史を踏まえてこそ、平和民主国家としての「主権回復」の意味が明らかになるのですが、産経はそういう作業をいっさいしていません。やりたくないのでしょう。国土主権とかで勇ましいことだけを言っていればいいという政治姿勢は、いずれ同じ道を歩み、ふたたび主権を丸ごと失うことになりかねないものだということを、あらためて確認しておかねばなりません。