黙然日記(廃墟)

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産経オピニオンの暇つぶし。

【正論】駒沢大学名誉教授・西修 集団的自衛権行使は政策判断で - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130121/plc13012103060004-n1.htm

【主張】集団的自衛権 首相は「行使」容認を急げ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/130121/plc13012103080005-n1.htm

 ちょっと手が空くとこれですから、産経は油断がなりません。小人閑居して不善を為す。
 「正論」では西氏が、安倍晋三氏の発言として、集団的自衛権が必要なケースを二つ挙げています。日米艦船が共同行動中に他国に襲撃された場合(そもそもこの状況を想定しづらいのですが)、弾道ミサイルが日本の上空を経て米国領土を狙った場合。まず前者は、米国艦船が襲撃されても日本側は助けに行けない、というのですが、隣を航行している船が襲撃されたら次は当然自分のところに来ることが予想できるため、個別的自衛権で対応できます。こんな例示しかできないとは、安倍晋三とかいう人はなんと想像力の欠けた人なのでしょう。後者のミサイルについては馬鹿馬鹿しいの極みで、「弾道ミサイルが日本上空を通過する」というのは宇宙空間を通過する、つまり対空ミサイルを撃ち込んだって届くはずがない、ということを理解していないだけです。打ち上げの瞬間を狙うのなら日本のイージス艦も米国のイージス艦も変わりませんから、日本が集団的自衛権を発揮する理由にはなりません。ほんっとに安倍晋三とかいう人は常識に欠ける人なのですね。集団的自衛権が必要なケースについて、PKO行動時の駆けつけ警護に関しては一定の理があると思いますが、そちらではなく簡単に反論できるような例示しかできないところが、安倍晋三とかいう人の限界です。いったいこの人は、今なにをしているんでしょうか。
 「主張」の方を見ると、安倍とかいう人が「他のケースも考えてくれ」と有識者に泣きつこうとしているらしいです。さすがに上記の例示だけでは(特にミサイルの件)世間を説得できないことに、いまさらながら思い至ったのでしょう。さらに「主張」は、集団的自衛権があればグァム島の防護を日米共同で行うことができる、これこそ同盟だ、みたいなことも言っているのですが、御免被りますね。