黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「主張」、妄想に走る。他。

【主張】解散総選挙 国の立て直し競い合え 選択の誤りもう許されない - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121117/stt12111703080005-n1.htm

 《今度こそ、民主党政権を選んだ失敗を繰り返すことなく》とか《問われるべきは国家観である。それを決定的に欠いていたのが民主党政権だ》とか。産経「主張」の言う“国家観”が、軍事優先の極右イデオロギーであることは何度も指摘してきました。それがないからといって、ここまでなんでここまで居丈高になれるのか、不思議なくらいです。「バラマキ政策」としてここで批判されている、「大きな政府による再分配」は、立派な国家観です。減税と同時にそれを実現できるかのように吹いたところに問題があるのであって、産経の批判は的はずれもいいところです。
 同時に第三極にも不安を指摘していたりで、自民党の政権復帰を前提にしていますが、文中にもあるように、現実的には選挙後に民自公三党連立になる可能性が高いわけです。それほど自民党に自由度は与えられていないわけですが、それを無視して妄想の世界に浸っているあたりが、いかにも産経らしくて微笑ましいですね。

【「決められない政治」のはてに】(上)国難、日本の未来かける1カ月 “寄り合い”民主、必然の瓦解 +(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121117/plc12111701130001-n1.htm

【熱狂の爪痕】(1)政治主導 進まぬ福島の復興 宙に浮く指定廃棄物+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/121117/plc12111708540004-n1.htm

 似たような主旨の大型連載記事を2本も立ち上げています。朝刊と夕刊なのかもしれませんが、京阪神以外では夕刊がないのですから、同時に掲載されていることになるのでしょうか。上の記事は坂井広志記者、下の記事はいまのところ無署名です。どちらも民主党政治の問題点(と産経が思うもの)をあげつらっていますが、永田町の話に終始している坂井記事よりは、被災地を取材している下の記事の方がまだまともでしょうか。それにしても、前回総選挙のいまごろも、「民主党には国家観がない、自民党しかない」と産経は紙面で絶叫していたような記憶があります。政権選択選挙の前に現政権を冷静に評価判断することは必要ですが、下野なう当時から産経がまったく進歩していないことがわかります。

【解答乱麻】元高校校長・一止羊大 国家観喪失と反原発脱原発+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/121117/edc12111707550001-n1.htm

 これはひどい。教育問題を扱う「解答乱麻」欄なのに、元校長の肩書きと「公教育の役割は重い」のひとことだけで、あとはなにを書いてもいいと思っているあたりがまずひどいですね。そして主張の内容、“国家観”については上にも述べたとおりですが、ここでは原発を維持し核武装につなげることが“国家観”の現れだとされてしまっています。そしてそこに教育を利用すべきだとくるわけですから、恐るべきものがあります。こんな人物に校長をさせていた大阪の公教育を橋下徹府知事・市長が改善しようとしたのも当たり前でしょう(念のため、これは皮肉です)。