黙然日記(廃墟)

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「親学」の開き直り。他。

【解答乱麻】明星大教授・高橋史朗 家庭教育支援条例と親守詩+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120818/edc12081808270000-n1.htm

 大阪市大阪維新の会が提案した家庭教育支援条例案が、発達障害への理解を欠くものだとして批判を受けたことは記憶に新しいところです。その「発達障害」という用語に出鱈目な定義を作った本家本元である親学推進協会理事長・高橋氏が、ようやく産経紙面に登場して弁明を繰り広げています。曰く、「先天的な発達障害と後天的なものとは明確に区別する必要がある」、《両者は表面的な特徴は似ているが、本質的に異なるものであり、筆者や金子保氏が予防、改善できると指摘しているのは後者についてである》。弁明になっていません。「区別する必要がある」って、区別してなかったのがあんたらで、それがすべての混乱の元凶だったんでしょうが。すでに定義が定まっている「(先天性)発達障害」という用語を、高橋氏らがろくに調べもしないで後天性のある種の症状に対して使い始めたのがそもそもの原因なのです。そのことに対する反省はまったくありません。また、後天性の症状に対する新しい概念を提示することもなく、単に用語を引っ込めるだけで終わらそうとしています。
 《現在、全国各地で親学推進議員連盟の設立、家庭教育支援条例の制定に向けて準備が進められているが、混乱をさけるため、発達障害に関する内容は除外することにした》という段落も見逃せません。大阪市の家庭教育支援条例案も、高橋氏らによる親学推進協会の影響下にあったことを認めた内容です。聞きかじりの学術用語を勝手な定義で使うような団体の推進する「学」がいかに非科学的であるかを思えば、たとえ「発達障害」の用語を引っ込めたところで、それ以外の内容も推して知るべしでしょう。
 こんな弁明でことが片づくと思っているあたり、世間を舐めているのか、舐めた世間で通用させる自信があるのか、どちらかです。そしておそらく、多くの人が知らない間に家庭教育支援条例案は各地で提出され、わけのわからないうちに通されてしまうことになりかねません。特に大阪市・府、埼玉県、兵庫県などでは、十分な監視が必要です。

【名言か迷言か】野田首相の不誠実さと竹島上陸+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120818/plc12081812000007-n1.htm

 今週の政治家発言を記録するコラムなのですが、前置きの部分でそれと関係ない話をするのが慣例のようになってしまっています。杉本康士記者はついに、前置きだけで本体(政治家発言録)がないという、本末転倒のコラムにしてしまいました。いちおう前説部分は、野田佳彦首相の最近の発言の背景を説明する内容にはなっていますが、本体がないというのはどうしたことでしょう。