産経「主張」の専門家観。
【主張】原子力規制委 田中氏でどこが悪いのか+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120803/plc12080303280004-n1.htm
どこが悪いって、原子力ムラの出身者だからでしょうが。《「原子力ムラ」の一員という烙印(らくいん)を押す態度は公正を欠き、民主主義にも反するものだろう》という、「公正」「民主主義」とははなんでしょう。烙印もなにも、原子力ムラとはなにかを考えれば田中俊一氏は見事に当てはまります。
専門知識があるから、という論拠にしても、専門知識が必要なのは手足となって動く職員であって、トップに要求されるのは先入観にとらわれない、それこそ「公正」な視点です。専門家が専門知識で塗り固めた狭い見識だけで原子力を取り扱うことの恐怖を、国民は嫌と言うほど思い知らされました。それが、原子力規制委員会の人事にも求められているわけです。
【from Editor】だれが「悲惨な夏」にしたか+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120803/plc12080307390006-n1.htm
平山一城編集委員の「from Editor」です。米国を襲った大干魃「Cruel Summer」にかけて日本を「狂えるサマー」とする駄洒落はスルーしておくとして、こちらも佐藤優氏の論を元に、原子力行政(政治全般)には専門家の知識が必要で彼らに任せておけばいい、と論じています。これは、自衛隊制服組に権限をと唱える産経先軍政治と、同じ発想であるように見えます。軍隊にシビリアンコントロールが必要なように、専門家集団のテクノクラートにも民主的な手続きによるリーダーが必要であるというのが、現代民主主義の根幹ではないでしょうか。まさに佐藤氏が反面教師として珍重するソ連が、民主主義を無視したテクノクラートの暴走を押さえられずに崩壊に到った事例を思い起こすべきでしょう。