黙然日記(廃墟)

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産経の明治天皇百年忌。

【主張】明治天皇100年 「強い時代」から学びたい+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120730/plc12073003140002-n1.htm

 明治天皇崩御100年ということで、例によって「理想化した明治」への礼賛です。富国強兵を掲げ、強国相手に戦争を起こしてたまたま勝った、あるいは引き分けに持ち込んだ朝鮮半島に手を伸ばそうとしたロシアと戦争したのは、日本も朝鮮半島を植民地化しようと狙っていたから以外の理由はありません。併合後ならまだしも、この時点ではまだ独立国だった李氏朝鮮を、日本の権益であることが当然かのように述べているのはいただけません。当時のロシアと現在の中国を重ね、《丹羽宇一郎駐中国大使の更迭もせずにいる》と飛躍するのも理解に苦しむところです。
 明治の歴史からなにを学ぶかといえば、「一時的な軍事増強で勝利を得たことに酔って、無謀な戦争に突入してはならない」ということでしょう。

【寄稿】作家・慶応大講師 竹田恒泰 明治天皇崩御100年+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120730/art12073008080004-n1.htm

 さらに産経紙面には、明治天皇の玄孫を称する人物を引き出して、その人徳について語らせています。わたしの母方の高祖父も地元の名士で村長など務めたらしく、その業績は一族の誇りなのですが、その人となりなどについてはまるで伝わっていません。したがってわたしも、もし地元史の研究家などに尋ねられても、一般的なことしか答えられません。父方の高祖父については、なにをした人なのかさえ知りません(普通の田舎のオッサンだったと思いますが)。百年忌を迎える高祖父と玄孫の関係なんて、そんなものです。わざわざそういう人物を引っ張り出して明治天皇を語らせる、意味がわかりません。実際に竹田氏も、文献からわかるようなことしか述べておらず、別に誰が書いても良さそうな記事になっています。野口裕之記者と会食したり、怪しげな動きを見せる竹田氏ですが、産経はなにを考えているのでしょうか。