黙然日記(廃墟)

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産経野口記者の熟語観。他。

「四文字熟語の似合う破廉恥国家」:イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/574686/

 おなじみ、野口裕之記者の【軍事情勢】です。「四文字熟語」じゃなくて、ふつうは「四字熟語」といいます。日本語を勝手に改変しないでください。それとも「四文字言葉」になにか思い入れでもあるんでしょうか。
 「5月に中国漁船が北朝鮮当局に拿捕され罰金を請求された」という事件は、中国総局の矢板明夫記者が伝えていますが、矢板記者は「北朝鮮の海賊が中国漁船を襲撃した」という視点で報じており、「それは北朝鮮当局に拿捕されたんじゃないの?」という当然の疑問を無視していました*1。野口記者の記事との整合性がとれていませんが、どうなっているのでしょう。
 さて本題ですが、どうやら野口記者は、四字熟語を「厚顔無恥」「傲岸不遜」しか知らないようです。四字熟語はそれだけで1冊の本になるぐらい数があります。それら多くの四字熟語、たとえば「前途洋々」「天下無敵」「民主主義」なども中国に似合う、という話でしょうか。あるいは、多くの国にそれぞれ似合う熟語があるでしょう。野口記者の大好きな大日本帝国も、「八紘一宇」「七生報国」「南京虐殺」などが似合う国でしたが、そういう話でしょうか。そもそも四字熟語の大半は中国で生まれたものだということも、忘れちゃいませんか。
 それにしても、「厚顔無恥」「傲岸不遜」以外の四字熟語を知らずにこんなコラムを書くというのも、厚顔無恥にして傲岸不遜な態度というものです。

産経抄】7月7日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120707/plc12070703050005-n1.htm

【主張】「再活性化」問題 首相はAPEC見送りを+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120708/plc12070803250004-n1.htm

 昨日の「産経抄」で、北方領土問題で強硬策をとれ、そのためにはウラジオストクで開かれるAPEC首脳会談をボイコットすべきだ、などと言っていたのですが、ただの冗談だろうと思ってスルーしていました。今日の「主張」で同じ要求をしているところをみると、どうやら本気のようです。いったいそれが、領土交渉においてなんの役に立つのか、ぜひ説明してほしいものです。もともとは石破茂・“一見まともにみえるけど実はトンデモ”・元防衛相が言い出したことのようですが、ほんとにこの人は(またそれに乗ずる産経も)、なにを考えているのでしょうか。
 こうなると昨日の「産経抄」にあった、「野田政権は靖国参拝で勝つる!」も、どうやら本気だとみるべきなのでしょうか。乾正人政治部長の持論でしたが、これを本気で信じている人は、産経社内に多いのでしょうか。暑さのせいでどうかしちゃってると考えてあげるべきなのかな……。