黙然日記(廃墟)

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とんがった産経新聞。他。

【from Editor】とんがったモノづくりを+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/120529/biz12052907370025-n1.htm
世界の消費者を魅了した日本車が、いつのまにか「無難なクルマ」の代名詞になってはいないか。

 広瀬典孝デジタルサイネージ編集センター長が、なにをどう勘違いしているのか、理解不能なコラムです。若者のクルマ離れ()を止めるには、とんがったものを作ればいい。その証拠に、スバルBRZトヨタAE86)は中高年に大人気だ。日本のメーカーはいつしか無難なものしか作らなくなっていたのではないか。……さっぱりわけがわかりません。なぜ日本車が世界の消費者を魅了し、選択され続けているのか。品質が一定し性能のバランスがとれた、「誰でもいちおうは満足できる自動車」を作るため、日本メーカーがどれだけ苦労してきたか、そしてその無難な自動車がいかに日本メーカーの、ひいては日本国家の屋台骨を支えてきたか、「無難なクルマ」こそが日本車なのだということを、理解しているのでしょうか。AE86のイメージモデルとなったのがかつてのカローラレビンで、とんがった要素と同時にカローラブランドの「無難さ」も押さえていたことは、知らないのでしょうか。「とんがったものなら若者にウケる」というセンスの古さで、よく現役の社会人が務まるものです。「無難さ」を排した*1、とんがった新聞作りをしていると、そういう感覚になってしまうのでしょうか。

【主張】国会事故調 目に余る菅氏の責任逃れ 解明に証人喚問が不可欠だ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120529/plc12052903220003-n1.htm

 菅直人氏の証人喚問をして、あらためて何が出てくるというのか。単に「前首相を証人喚問に引きずり出した」という実績がほしいだけではないのか。それだけで話が終わってしまう、産経「主張」です。
 原子力村の解体を唱えると《国家エネルギー政策を担う責任はみじんも感じられず》とか、「カツ丼をぺろりと平らげ」時代の新聞記事みたいですね。国民の誰もが思っている当たり前のことを要求しているだけなのに。
 《最終報告書では首相の責任を明確にし、再発防止策を提言すべきだ》という、まるで菅前首相の責任で原発事故が起きたかのような、謎の文章もあります。対応がまずかったことと、事故そのものが不可避だったことは区別して考えねばなりません。再発防止を言うなら全原発の停止が正解でしょう。

*1:この文脈では、もちろん褒め言葉ではありません。