産経抄の神話観。他。

【産経抄】５月２３日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/science/news/120523/scn12052303270000-n1.htm

　金環日蝕に、抄子はよほど興奮したようです。ちっ。どうせうちでは見られませんでしたよ。興奮のあまり、日本の日蝕神話（天の岩戸）を考察し、神話の起源はカンボジアだ、いや中国の少数民族だといった考察を紹介しています。おやおや。産経史観では、日本の神話はすべて史実ではなかったのですか。神話として南方から伝わってきたというなら、この史観と矛盾するのではないですか。あるいは、邪馬台国カンボジア説ですか。
　女性神である天照大神が皇室の祖とされていることも、この史観の不思議なところです。天孫の権威の由来は女系であることによって成り立っているのですから、女系天皇を否定するのも矛盾にならないのでしょうか。

皇室の伝統「守る会」３０日に発足　櫻井よしこ氏ら - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120522/plc12052222330018-n1.htm

　というところでニュース記事を。「皇室の伝統を守る国民の会」だそうですが、なにをおこがましいとしか思えません。ちなみに「おこがましい」の「烏滸（をこ）」とは馬鹿の意です。メンバーは櫻井氏の他に岡崎久彦・中西輝政・小堀桂一郎・葛西敬之・稲盛和夫・津川雅彦（以上呼びかけ人）・市田ひろみ・片岡仁左衛門・堀義貴の各氏らと、おなじみの面々が集まっています。
　伝統を守る、あるいは伝統を築いていくのは、皇室全体自らのご意志に寄るものであって、下々がとやかく言うべき性質のものでは、本来ありません。まったくもって差し出がましい、おこがましいとしか言えません。皇室のご意志、突き詰めれば今上のご意志が奈辺にあるか、本来なら口を出すべきことでもないのです。宮内庁を通して皇室と直結している政府の意向と、まともに話もできない下々の人々と、どちらが伝統を築こうとしているのか、少し考えてみればわかることではないでしょうか。