黙然日記(廃墟)

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産経、民意を無視する。

【eアンケート】夏の電力不足 使用制限令「NO」51%+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/120419/trd12041921070019-n1.htm

 予想どおり、ひどい記事になっています。まずこのアンケート(任意のネットアンケートで世論調査ではありません)の内容から。これだけ注目を集めるテーマなのに回答数がわずか1448人というのは、いつもこのeアンケートに参加している常連が中心だということです。そして質問内容も、ひどく偏った誘導尋問です。その中で原発再稼働賛成が54%というのは、ほぼ賛否拮抗ということで、結果としてはかなり意外でした。他の、「電力不足は起きるか」「使用制限例をするべきか」も、YES/NOがきれいに分かれています。
 しかし産経の報道姿勢は、ひと味違います。51%を見出しにして、拮抗と報じるのかと思ったら、どうやらこれは「YESが多い」という意味で掲げているようです。51%ですよ。
 もちろん、再稼働賛成の54%は大手を振って「賛成多数」の扱いです。個別意見の紹介はともかく、末尾の解説では、いかに再稼働が必要か、脱原発がいかに理不尽かを唱えるものです。なぜ脱原発が言われ始めたのか、あの深刻な自己があったことはスルーしまくりです。ここまで厚顔でいられるのは、いったいどういう神経なのでしょうね。

【主張】原発と橋下市長 電力確保の責任どうした+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120420/plc12042003190005-n1.htm

 関連して。一人の政治家のすべての政策について賛成、あるいは反対ということはあり得ないのではないでしょうか。たとえポピュリズムだとしても、それが結果として民意を反映しているのなら、是認すべきだと思います。
 そういうわけで、橋下徹大阪市長脱原発を徹底するのならそこは応援したいと思いますが、もちろん産経はそんな立場にはありません。市民の意見がどうであろうとなにがなんでも原発推進です。《安全確保を条件に、原発を稼働させながら》とか、たわごとを並べております。そりゃ、絶対に安全なら誰も反対しませんよ。そうじゃないことが明らかになったから、こうなっているんじゃないですか。橋下氏の脱原発を《政治的パフォーマンス》としていますが、民主政治で民意を集めることを否定しているのでしょうか。否定したいのが産経なのでしょうけれど。