黙然日記(廃墟)

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産経抄、気合いを入れる。他。

産経抄】4月19日 都の「尖閣諸島購入計画」を批判する新聞へ - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120419/plc12041903080004-n1.htm

 「産経抄」はサブタイトルまでつけちゃって、気合いを入れています。朝日新聞東京新聞の社説に喧嘩を売っているので、まずそちらから見てみましょう。

朝日新聞デジタル:社説
尖閣買い上げ―石原発言は無責任だ
http://www.asahi.com/paper/editorial20120418.html#Edit1
キーワード:
無責任
大風呂敷
東京都知事
尖閣諸島
石原慎太郎

東京新聞:「尖閣」石原発言 都税は暮らしのために:社説・コラム(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2012041802000140.html

 どちらももっともですね。特に東京の、都税は都民のために使えというのは、もっともすぎて反論できません(朝日も同じ点を指摘しています)。反論するかわりに、「税金を出せないなら寄付を募ればいい」という明後日の方向のアイディアを出してきます。いったいそれで、いくら集まると思っているのでしょうか。まあ、某映画の愛国詐欺に億単位の大金が集まった例もありますが。復興支援酒場が繁盛したから真似すればいい、とか、さらに斜め上のアイディアまで出してきます。震災復興への国民の思いがどれだけのものであるか、それゆえに支援酒場も繁盛したのだと言うことが、抄子には理解できていないのでしょうか。うそ寒い話です。
 朝日は本論として、政府の専権事項である外交に自治体である東京都が絡んできて、責任をとれるのかとも問うています。これまたもっともですが、「産経抄」は見事にこれをスルーしています。ではなにに反論しているかというと、朝日の《問題はいっそうこじれるだろう》という部分だけ切り出して、いや、断じて行えば鬼神もこれを避くのだ、と言いたいらしいですが、どうも反論の体をなしていません。本論を避けたトリビアルな部分への反論のうえ、文章が頓珍漢な方向にねじ曲がって反論対象からそれているのですから、話になりません。要するに、わざわざ朝日と東京の名前を出しておきながら、まったく反論になっていない「反論」なのです。これはみっともない。

【主張】尖閣「購入」 石原構想で統治強化を 対中危機意識を共有したい - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120419/plc12041903100005-n1.htm

 「主張」も2本分のスペースを使って気合いを入れています。対馬キャンペーンや水源地キャンペーンのときと同じく、土地所有者と国家領有の区別が付いていないらしいところはあいかわらずです。
 あとは全体的に通常運転なのですが、ついでに通常運転のコラムをいくつか見ていきましょう。

【正論】明治大学名誉教授・入江隆則 有害な核アレルギー打ち破ろう - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120419/kor12041903090000-n1.htm

 特にどうということはない、平均水準の、いつもどおりの「正論」欄です。日本の核武装を主張しています。通常運転ですね。
 ひとつだけ。入江氏は「比較新世界論」なるものを長年専攻していたそうです。なぜ豪州やアメリカの中で米国だけが突出したのかを研究していたそうですが、その結論のひとつがどうやら、《他の「新世界」国家〔は〕、歴史も文化もない、ただ退屈なだけの国》というもののようです。
 最近、ネットラジオでブラジルのラジオ局をよく聴いています*1。もともとはモダンジャズが好きだったのですが、ボサノヴァを入り口にラテン音楽に興味を持つようになると、同じジャズでもブラジル人が演奏するとサルサっぽくなったり、ブラジリアンポップスにもサンバの血を感じたり、面白いなと思っているところです。いずれレゲエなどのカリビアンミュージックにも手を出したいと思っているのですが、あれは奥が深すぎてどうしたものかと。
 音楽ひとつ、その入り口だけとっても、新世界にはこれだけの文化があるのですが、入江氏の解釈も聞いてみたいところです。

【40×40】河添恵子 へなちょこ日本…心底悲しい+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120419/kor12041907430001-n1.htm

 特にどうということはない、平均水準の、いつもどおりの「40×40」欄です。おそろしく下品な文章で、新潟の中国総領事館土地取得がいかに国家的危機であり新潟に売国奴があふれているか、いずれ新潟県は中国領にされてしまうと訴えています。通常運転ですね。

*1:とりあえずおススメというか今聴いているのは PAUL IN RIO RADIO 。http://www.shoutcast.com/radio/Bossa%20Nova から検索できます(要Winapmプラグイン、だと思う)。