産経「主張」の火事場泥棒。他。

　うっかりしてると新聞休刊日だったりするので、昨日の取りこぼしやふだん扱わないネタなど。

【主張】北ミサイル迎撃　「国を守る」覚悟みせよう＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120408/plc12040803110002-n1.htm

　8日付「主張」はいつもどおりひどいので、いつもどおりの紹介しかできません。ミサイルと人工衛星ロケットの違いをあえて混同し、軍事的パフォーマンスに利用する日本政府（野田佳彦政権）も日本政府ですが、産経はがっちりとその尻馬に乗っています。中国もぽんぽん人工衛星や宇宙船を発射しているし、韓国も人工衛星実験はしていて、いずれもいくつかは日本上空（領空外）を通過しているはずなのですが、そのたびに迎撃態勢を整えるなんて話は聞いたことがありません。
　今回はたまたま沖縄県南部の上空を通過するということで、そちらにミサイル部隊を展開しています。あわよくばそのまま南方最前線の基地化を図ろうというわけですが、これには批判も数多くあります。地上ミサイル装置を実弾入り小銃を携行した部隊が警護していることに対して、大げさすぎる、誰に銃を向けるつもりか、という批判があるわけですが、その批判には触れず武器携行の正当性だけを強調しているので、事情がわからないと理解できない、まったくおかしな文章になっています。PAC3やSM3の実験実績を誇るように書いていますが、100％の防御率ではないわけですよね。27回中22回、約81％の成功率というのは、あまり信頼できるものでもありません。Jアラートの不具合とあわせて、かえって不安を煽るような結末になっているのは、笑うところでしょうか。万が一のときに失敗した方が、防衛予算分捕りには都合がいいのかもしれませんが。

「文章上達の“秘技”プロが伝授！」：イザ！
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/555542/

　産経新聞ではなくZAK×SPA!、夕刊フジと週刊SPA!のコラボレーション企画をイザ！で配信しているものです。基本的にスルーしてきたのですが、この記事は（皮肉ではなく）なかなか面白かったので紹介しておきます。まあ何が言いたいかというと、産経新聞の記者もこれを読んでくださいねというわけなのですが。特に某九州総局長あたりには、耳の痛い指摘が多いはずです。
　もっともこの記事の、「『むしろ』を多用しろ」というところはどうかと思います。考え方としてはわかりますが、同じ接続を何度も使われるとうんざりするものです。むしろ、花見のときだけ使った方がいいのではないでしょうか。