産経「主張」の判断観。他。

【主張】原発再稼働　勝手にルール変更するな＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120405/plc12040503240004-n1.htm

　暫定基準の設置で《当初期待された再稼働への政治判断》が先送りされたとか、《そもそも、定期検査を終えた原発の再稼働の条件は、ストレステスト（耐性検査）の１次評価に合格することであったはずだ》とか言っていますが、勝手にルールを決めているのは産経の方ではないでしょうか。ストレステストに合格すれば自動的に再稼働できるとでも思っていたのでしょうか。ストレステストは必要条件であって、十分条件ではありません。
　枝野幸男経産相の、発言のブレも指摘されています。ブレたことは批判されてもしかたありませんが、再稼働に否定的であることを批判するのはおかしいでしょう。政治判断は再稼働するかしないかを判断するものであり、両方の可能性があって当然です。決して、産経が主張するような再稼働への機械的手続きではありません。もしそうなら、政治判断を挟む意味はないでしょう。
　これに限らず、産経は、政治的判断というものを舐めている気がします。憲法改正発議の3分の2条項にしろ、手続きとして意味があるからそう決められているのだということを、あまりに軽視しすぎです。

【主張】拉致とミサイル　実効ある対北追加制裁を＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120405/plc12040503230003-n1.htm

　《「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイル》と書いている時点で、なぁんにも理解していないのが明白です。北朝鮮は、おそらく本気で人工衛星を打ち上げるつもりでしょう（成功と失敗はまだ五分五分ぐらいの技術レベルだと思いますが）。人工衛星打ち上げに成功すれば、大陸間弾道ミサイル技術も完成したということになるだけです（地球を一周できる技術があれば半周は確実にできる。わかりますか？　スプートニク・ショックの意味なんか、わからないのでしょうね）。したがって、現在安保理決議違反として問題にされているのも、「人工衛星と称するミサイル打ち上げ」ではなく、「人工衛星を口実にしたミサイル技術の開発」に対してです。この区別が付かないようでは、以下の論も読む価値がありません。