黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経「正論」の原子力村宣伝。他。

 というわけで9日分です。

産経新聞「不買」呼びかけの部長、副知事に : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120309-OYT1T00533.htm

 d:id:pr3:20120214:1329230989 で紹介した奈良県総務部長のその後です。産経不買の呼びかけは経歴の傷にはならないようですね。むしろ愛郷心が評価されたのかもしれません。

【正論】震災1年に思う 京都大学原子炉実験所教授・山名元 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120309/dst12030903030001-n1.htm

 原子力村の教授が、原子力発電の利点を説明しています。いったい今、誰が耳を傾けるというのでしょう。
 原発停止により当面は火力発電頼みになることで、大規模停電などの「リスク」が生じることは確かですが、《性急な脱原子力によるエネルギー安全保障上のリスク》については説明されていません。《産業界にさらに過度な省エネを強いることは、経営上の大きなリスク》という表現もあり、「リスク」という言葉の使い方を間違っているのではないでしょうか。また、原発停止による火力燃料積み増し分を3兆円としていますが、この数字が怪しいことは以前も指摘しました。再生可能エネルギーを大規模導入することの不確実性をリスクとして指摘するのなら、原発の事故時のリスクを正しく評価するべきです。電力料金値上げが取り沙汰されているのは、火力依存によるコスト上昇以前に、事故への保証金をどうやって賄うかから来ているのです。保証金のリスクを含めた原子力発電のコストが安くないことは、すでに明らかになってしまいました。原子力の安全性とそれへの信頼が損なわれている事実を、山名教授は軽視しているようですが、それは再生可能エネルギーの大規模導入に伴う問題と、どちらが大きいでしょうか。《「減原子力」VS「賢原子力」》って、うまいことを言ってるつもりらしいですが、もっとも賢い戦略が「使わない」こと、という場合も、当然あるのです。
 そもそもこのコラム、どこが《震災1年に思う》なのかもぜんぜんわからないのですが……。

【外信コラム】ポトマック通信 神社と大震災 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120309/amr12030903040000-n1.htm

 古森義久編集特別委員です。震災が神道や地域コミュニティに与えた影響について、古森氏の友人のケビン・ドーク教授らが討論会を開いた、というお話です。中西正史・神道国際学会ニューヨーク駐在代表による報告が、日本から現地の情報をまるで仕入れていなかった、gdgdなものであったことが紹介されています。古森氏はそれを中西氏の責任でなくマスコミ報道が欠落しているせいだ、みたいに述べていますが、シンポジウムの基調講演担当者として、恥ずべきところでしょう。なんのためにワシントンでこんな討論会を開き、神職にある当事者が基調講演を担ったのか、まるで意味がなくなるような話ではありませんか。古森氏は、なぜこんな話を堂々と紹介し、「ニッポンの文化は米国でもこんなに」といういつものドヤ顔をできるのでしょうか。

【金曜討論】「在日韓国人の選挙権」 鄭大均氏、三浦小太郎氏+(1/5ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120309/elc12030907150000-n1.htm

 昨日付のトンデモアンケートにまつわる「金曜討論」です。「討論」というから、賛成反対と両方の立場を代表する人を呼ぶのかと思ったら、鄭氏は「選挙権が欲しければ帰化しろ」、三浦氏は「在外投票権は政治利用される」と、ちっとも討論にならない組み合わせです(対談ではなく両者へのインタビュー形式)。この記事をまとめた喜多由浩記者(またこの人か)は、なにを考えているのでしょう。
 鄭氏はともかく、三浦氏の「政治利用される」とは、例の、北朝鮮新派でありながら韓国籍を取得した在日コリアンが大挙して《北寄り》候補者に投票したら、というものですが、実際には有権者登録の驚異的な低調ぶりから、あり得ない危惧だとすでにわかっていることです。また、韓国の選挙の話をしているのにいきなり《在日コリアンの問題は『日本の問題』》とか、話の流れが支離滅裂です。まあ、三浦氏になにかを期待する人もいないでしょうが。

ヤンキー先生、緊張感ない首相・閣僚を一喝「へらへら笑うな!」  - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120309/plc12030922330016-n1.htm

 すっかり存在感をなくした義家弘介氏をプッシュしなきゃいけない、産経もたいへんですね。次の選挙まであと1年少々。