黙然日記(廃墟)

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産経の1・17観。

 東日本大震災では15844名の方が亡くなられ、さらに3000名以上の方の行方がまだわかっていません(17日現在)。しかし津波の被害者を除くと、地震の規模に対して地震そのものや火災による被害者は少なかったと言えるのではないでしょうか。17年前の教訓による耐震・耐火建築の普及がその一助となっているかもしれない、と考えると、あらためて阪神・淡路大震災における貴い犠牲の重みを感じます。両震災で亡くなられた方々に、あらためて合掌し、被害を受けた皆様の平安を祈ります。
 さて、2012年1月17日というのはそういう日なのですが、産経新聞産経抄」「主張」とも、阪神・淡路大震災のことはまったくスルーしています。いったいどういうつもりなのか、首根っこ押さえて問いつめたい気分です。

【主張】国旗国歌判決 悪質違反は厳しく処分を+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120117/trl12011703360001-n1.htm

教育に悪影響、批判も 国旗国歌訴訟 積極的妨害は厳罰可能+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120117/trl12011700300000-n1.htm

 そしてこんな論説に血道を上げているわけですよ。重要判決ですから社説で取り上げることまでは当然ですが、その内容が「もっと厳しい処分をさせろ」の一点張りです。懲戒権というものをなんだと思っているのでしょうか。思うがままに命令する権利ですか。そんなものは、誰にだって誰に対してだって、どこにもありません。
 《教育に悪影響》というのは、これで君が代不起立の処分が合憲とされたことに対するものかと思えば、もちろんそんなわけはなく、過剰な処分を下せなくなったことへの《識者》コメントです。しかしこの《識者》とやらが誰なのかは、明らかにされていません。いったい、教育そのものへの影響はどちらの方が大きくどちらの方が悪質なのか、改めて考えてみる必要があるでしょう。