産経抄の侠気観。他。

【産経抄】１２月２４日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111224/plc11122402580001-n1.htm

　田中角栄が日中共同声明から「軍国主義」の表現を外させたのは、単に国内の軍国主義者（当時だと福田赳夫など）の反発を怖れただけではないかと思います。それにしても、産経の河野洋平氏への憎しみはいまだに異様なまでのものがあって、河野談話は日中関係の文脈とはほとんど関係ないのに、なぜここで非難する必要があるのでしょうか。「全国紙として平和主義者も含めて日本国民全体を代表しているのだから、国民の一部を非難することはできない」という侠気はないのでしょうか。

【金正日総書記死去】「正恩氏の在日母は誇り、３代世襲反対」　朝鮮総連に動揺＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111224/kor11122414310016-n1.htm

　桜井紀雄記者の筆による記事ですが、《本国とのはしごを外された形となる》という不思議な表現があります。「本国とのパイプを断たれた」と「本国からはしごを外された」を混同しているのでしょうか。「はしごを外された」が、屋根に上がったところで登ってきたはしごを誰かに外され、降りることができなくなった状態を指しているのだということを思い出せば、こんな表現はできないはずなのですが。
　内容は、金正恩氏の母であるとされる高英姫氏が在日朝鮮人出身であるとされる（「される」ばっかりですが）ことについて、在日朝鮮人関係者には複雑な思いがあるというのですが、ファーストレディーが同じ在日出身であることを誇るのと、その子が世襲王朝の後継者になることを非難するのは、別に矛盾しない感情ではないでしょうか。