黙然日記(廃墟)

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産経抄の借金観。他。

 例の騒動は、あくまでジャイアンツの内紛であって、読売新聞社のそれではないんですね。つまらん。産経新聞社でも、コンプライアンスに欠けた経営者を告発する勇気を持つ人は出てこないものでしょうか。
 ではまず小ネタから。

ネット情報引用はダメ 中国が報道管理規定 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111111/chn11111100480000-n1.htm

 中国のメディアじゃなくてよかったですね。いろんな意味で。

【主張】TPP表明先送り 党内融和より指導力示せ+(1/2ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111111/plc11111103230002-n1.htm

 昨日の続きをひとつ。まあさすがに先送りは呆れましたが。これで不参加表明に切り替えるとかいうならまだしもねえ。そうなっていた場合の産経の反応が、想像するだけで楽しかったのに。

産経抄】11月11日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111111/plc11111103150001-n1.htm

 さて「産経抄」は、まぁた二宮尊徳ですか。修身の教科書がよほど好きなようです。
 尊徳の時代は借金そのものが否定的な印象のもので、倹約して一日も早く返済しなさい、というのが経営立て直しでしたが、近代以後の資本主義社会では、そうではありません。資本の投資からすべてが始まる、いわば借金と利息で成り立つ経済体系です。この点を理解していないと、今日の「産経抄」のように儒教道徳をそのまま現代の経済危機に当てはめるような、頓珍漢な文章になってしまいます。オリンパス(なぜ《「オリンパス」》と鍵括弧に入れるのでしょうか?)の問題は粉飾決算、嘘をついていたことであって、借金があったことではありません。ギリシア、イタリアや日本の財政赤字は借金の問題ですが、ある程度までは健全な借金だったわけです。また、米国の財政赤字に言及していないのはどういうわけからでしょうか。
 そして(二宮)「ソントク」を世界語に、という寒いシメで終わっています。「トバシ」と人名を比較すること自体がおかしいでしょう。また、本当に良い概念、必要とされる言葉なら、「モッタイナイ」とか「カワイイ」のように、ちゃんと世界に広まるのです。相手にもされないのは、尊徳的なもの、産経の崇拝する修身教科書的なものが現代社会では必要とされていないというだけのことでしょう。