産経抄のドリーム観(付:訃報)。
【産経抄】10月13日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/111013/biz11101302570000-n1.htm
偉大な「夢の実現者」であったスティーブ・ジョブズ氏に、あらためて、心より追悼の気持ちを表させていただきます。ありがとうございました。
ジョブズ氏は、社会的成功というアメリカン・ドリーム、「夢の体現者」でもありましたが、それ以上に、「夢を実現した人」でありました。コンピュータがもっと身近であればいい、スイッチ一つで使えればいい、ユーザは苦労しないほうがいい、操作はシンプルなほうがいい……多くの夢を、具体的な形にして、わたしたちの前に届けてくれました。パソコンというものは、それまでのコンピュータと違い、どこででも買えて筐体に入っていて電源を入れればすぐ使える存在です。そういう形と仕組みを作ったのがジョブズ氏でした*1。それから30年間、ジョブズ氏は「シンプル」にこだわり続けました。ボタンの数も、操作性も、デザインも。彼がいなくても、いずれスマートフォンの時代は来たかもしれません。スマートフォン自体、別にiPodやiPhoneがなければ生まれなかったものではありませんが、その形が大きく違っていた(たとえばテンキーを必須としフルキーボードを理想とする、ガラケーの延長にあるものになっていた)可能性は高かったでしょう。GUIのパソコンにいたっては存在が当たり前すぎて、どのように評価していいのかすらわかりません。
そうしたことを抄子に理解してほしいとは言いませんし、アメリカン・ドリームの体現者としてのジョブズ氏だけでも驚嘆に値するのですが、少し視点が低くないかな、と気になります。今、アメリカン・ドリームを持てない人々が不満を爆発させ、ウォール街で連日のデモを行っている事実を、抄子は気にして入るようですが、その背景について語ろうとはしません。金持ち優遇による極端な貧富の格差が、社会から夢と活力を失わせているのです。しかしそれを認めることは、産経には絶対にできないのでしょうね。
そして今日、もうひとつの訃報が届きました。
最近、仕事の関係でWWWのサーバ関連を扱っていたりします。そこでUNIX文化の片鱗に(最高のUNIXマシンであるMacOS Xを通して!)触れ、なんというか、C言語の影響力の巨大さを痛感しているところでした。(なんでどの言語も、実行文は{}や行末;で、コメント文は/* */や//なんだ)。リッチー氏に対しても、大きな感謝の念を捧げます。合掌
" Hello, World! \n
Goodbye, Steve and Dennie!!"
*1:その隣に、簡単な部品からおそろしく高機能な機械を生み出すステファン・ウォズニアク氏の才能があったとこも、もちろん忘れてはなりません。