産経、検証する。

「江沢民氏死去」報道の経緯について＋（1/2ページ） - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111010/chn11101001400000-n1.htm

　朝日新聞の取材*1に対して≪取材経緯を検証した記事を１０日付朝刊に掲載する≫としていた、その検証記事です。さてさて。
　≪中国内外で取材した結果≫、≪有力な日中関係筋などから≫死去を確信させる情報が入ったというのです。つまり、日本国内で（も）取材して、日本国内にいる関係筋から情報を得た、ということでしょうか。それが、なぜ自社中国総局の取材結果、たとえば病院に変化はない（号外の、「病院に弔問客が押し寄せている」という見てきたような描写は、いったいなんだったのでしょう）という情報を覆すようなものだったのか。とにかく≪東京編集局で情勢を全般的に分析した結果≫、「死去」という判断になったのだそうです。
　これが、産経の検証記事で明らかになった経緯です。なぜ中国国内より日本での情報を重視したのか、関係筋とはなにか、東京編集局はいったいなにを基準に判断したのか。具体的なことは、あいかわらずなにもわからないままです。週刊誌報道による、清原武彦会長･住田良能相談役（前社長）からのごり押しだったという説が、いちばん説得力があります。しかし、ここでは「そういう情報もある」と示すだけで、判断は保留しておきましょう。産経と同じ轍は踏みたくありませんから。
　「足で稼げ」というジャーナリズムの鉄則を忘れたことによる今回の失態は、産経新聞の汚点として自らが反省の糧とせねばならないところでしょう。何食目の糧か知りませんけれど。

*1: http://www.asahi.com/national/update/1009/TKY201110090143.html 、コメント欄でColumn_Readerさんにご教示いただきました。