黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

[産経抄の対米中観。

産経抄】9月24日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110924/plc11092403050003-n1.htm

 あらまあずいぶん、米国様の悪口を。中国憎しのあまり、本来の社論である親米すら忘れてしまった「産経抄」です。これは珍しいものを見ました。もっとも、産経の記者は、反中では共通していても、伝統保守である年長組の反中親米派と、新右翼的な若手(といっても三十代〜四十代)を中心とする反中反米派が併存しているようです。今日は反米派記者の担当で、しかし日米同盟路線自体は崩せないと読むべきでしょう。
 反中表現が過激気味なのも反中反米派の特徴ですが、程永華駐日中国大使への批判が中心です。大使が留学経験もある知日派であることを紹介しつつ、だから現代日本人が情報に疎いことを知っていて攻めてくる、といったような論調です。日本の教科書が(産経曰くの)「偏向」していたところで、東アジア情勢に疎くなるという論理もよくわかりませんが、筆者の中ではこれで整合性があるのでしょう。
 ところで産経はよく、日本の外交官で中国を良く知る担当者を「チャイナスクール」などと称し、あたかも中国政府の意のままにされているかのように攻撃しますが、中国の「ジャパンスクール」である程大使は、その利点を生かして日本を攻撃してくるんですね。このとおりなら、ずいぶん不公平な話だと思います。あるいは、産経の外交官に対する見方が不公平で、自国の外交官を不当に貶めているのだと考えるべきでしょうか。