黙然日記(廃墟)

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産経抄の不完全さ。

産経抄】9月10日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110910/plc11091003050004-n1.htm

 内閣全体を馬鹿にしてご満悦ですが、≪マルチ商法を生業とする人々とつながりが深い国家公安委員長≫とはどういうことでしょう。ほとんどのニュースでは山岡賢次氏がマルチ商法を取り締まる消費者問題担当相であることを問題にしているのに、なんで兼務している国家公安委員長のほうを持ってくるのか、産経の独特のセンスというべきでしょうか。
 ≪どこかの国なら即刻、銃殺刑≫というのは、具体的にどこでしょうか。「元首や内閣を馬鹿だといったら国家機密漏洩罪に問われた」というのは冷戦時代のソビエトジョークで、仮に国家機密漏洩にあたるとしても、一言漏らしただけで即銃殺というほどの恐怖政治を敷いていたケースは聞いたことがありません。わたしが聞いたジョークの本文も「国家機密漏洩罪で懲役20年」というものでした。
 そもそも平野博文国会対策委員長の失言も、それほど重いものでしょうか。発足数日後の内閣を「未完成」とでも言うべきところを「不完全」と言ってしまっただけのことでしょう。平野氏という人は、官房長官時代の言動を見ていると、国対委員長という重責にはいろいろ不安のある人ではありますが。ついでに、この「産経抄」にも言及されている「死の町」発言で鉢呂吉雄経済産業相が辞任しましたが、これも言葉があまりに軽いとはいえ、「ゴーストタウン」の言い間違いだったろうと思います。
 「不完全」内閣からなぜかサンフランシスコ講和条約記念日、日米同盟堅持に話をつなげるのは、いつもの「産経抄」のアクロバットで、ひさしぶりにこの芸を見られて満足しました。やっぱまともな筆者がいるとつまらんですね。