黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の英霊観。

 8月15日です。黙祷
 新聞休刊日でもあるので、昨日の「主張」から。

【主張】あす終戦の日 非常時克服できる国家を 「戦後の悪弊」今こそ正そう+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110814/plc11081402470001-n1.htm

 なんかもー、この長い全文がツッコミどころなんですけどね。どうしましょうか。あちらこちらツギハギで、全体の一貫性すらありません。
 《平和を愛する諸国民の公正と信義》という憲法前文の一文に、例によって「お花畑だ」的な批判をしています。ですが、今読み返してみて、これってかなり現実的なんじゃ? とふと思いました。「平和を愛する諸国」に北朝鮮などが含まれないことは明白で、その信義に期待するもなにもありません。「平和を愛する諸国」は(憲法成立前後の事情を考えて)連合国などを意味してるのではないでしょうか。具体的には国連であり*1、あるいは米国です。日米安保体制を見通して、米国の信義に基づいた平和主義という意味ではないのか、とも思えます。これは同じ憲法の第九条が、やはり安保体制のようなものを想定しているという説とも矛盾しません。
 安保体制の是非はここでは問いませんが、それを是とする、絶対善とする参詣の立場からは、ここの部分に難癖をつけるのは適当ではないのではないでしょうか。

 このあとの、菅直人首相らが戦後民主主義者だから官僚システムが機能せず、被害を食い止められなかったという論理のアクロバットぶりはものすごいので、一読の価値があります。よくこんなことを思いつくものです。
 平沼麒一郎や東条英機による開戦までの判断ミスの例を挙げて、これが今の内閣に似ていると論じるのも、予想外のものです。平沼の養子は立場ないな(笑)。
 原発再開が英霊に応える道というまとめもすごい。《自ら死地に赴いた英霊》という意味では、原発再開は同じ道かもしれませんが。

*1:北朝鮮も国連加盟国ではありますが。