黙然日記(廃墟)

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産経抄に狼が来る。

産経抄】7月8日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110708/plc11070802390000-n1.htm

 菅直人首相らが、よど号事件実行犯と“関わりのある”団体に献金していた、という「問題」が、いわゆる産経ネタであることには、気づいていませんでした。考えてみたら、他紙が扱うわけないよなあ。犯罪者の息子は犯罪者、この国と関わりがあるから犯罪者、という考え方は最も忌むべきものですし、さらにその団体から派生した団体というのは、ダミー団体なのか喧嘩別れしたのかもわかりません。
 それにしても、まさか菅氏の辛光洙容疑者助命嘆願書まで蒸し返してくるとは思いませんでした。あいかわらずの、拉致被害者家族を持ち出せばなんでも片づくと思っている姿勢といい、進歩がなさすぎます。
 《民主党政権になってから、拉致問題ではほとんど進展が見られない》にいたっては、なにを言っているのかと。安倍晋三政権以来、なにかひとつでも進展があったのでしょうか(強硬姿勢が無駄なことはこの3年間の経験でわかっていたわけですから、その点を改善すべきだったとは思いますが)。一方で、《グループの子女は、両国の行き来が可能だ。被害者家族はやりきれない思いだったろう》というのは、おそらく「そんな勝手なことは許せない」という文脈なのでしょうが、読みようによっては、「彼らのように自由に北朝鮮に行って家族を捜したい、関係者に会いたい」という意味にもとれます。戦略的には政府間交渉を待ちべきだとは思いますが、普通の家族の心情はそんなものではないかと想像します。
 で、産経以外はこの献金問題を報じていない、という最初の話になるわけですが、《世間は最近、拉致問題に冷淡すぎないか》というよりは、「拉致問題を持ち出せばなんでも押し通せる時期は過ぎた」だけでしょうし、その原因は、押し通しすぎた側にあります。家族会はある種の被害者としても、巣食う会もとへ救う会と産経周辺にですね。狼少年の自業自得というわけです。