産経抄、心霊写真を撮る。

【産経抄】５月３０日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110530/dst11053003040002-n1.htm

　なんともピントのボケた文章です。一歩間違えれば大惨事になっていた特急列車脱線炎上事故から駅の混乱に思いをはせるのもおかしいし、その流れならば1月の大雪による列車立ち往生より、3月の大地震当日の首都圏交通網大混乱、あるいは仙台駅の不要な乗客締め出しが出てきませんか。
　東京電力や自衛隊と同じく、JRもまた産経にとって、絶対的に擁護すべき対象のようです。「JRの組織機構は素晴らしく、一般のJR職員はこんなに規律正しく仕事に励んでいるのに、労組がそれをぼうがいしている」といった大きなストーリーを組み立てたいのかもしれません。しかし今回の事故にしろ、仙台駅の件にしろ、、あきらかに対応におかしなところがあるわけです（煙の充満した車内からの脱出を制止して、どうするつもりだったのやら）。そのへんから必死に話を逸らそうとした結果が、このピンボケコラムではないでしょうか。ピントを合わせるべき被写体を外して別の部分にピントが合った写真は、芸術的として評価される場合もありますが、普通は「失敗」と言われます。あえて背景にピントを合わせ注目させるテクニックもありますが、なにも存在しない宙空にピントが合っていたのでは、なにもはっきり描写できず、価値があるとしたらオカルトの範囲になってきます。このコラムが失敗か芸術かオカルトかは、読んだ人の判断すべきことですが。