産経野口記者の浮沈。

【軍事情勢】中国空母警戒への日米温度差
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/world/china/508065/

　週に一度のおたのしみ、野口裕之記者の「軍事情勢」です。《日米温度差》で米国は熱くなっているという話かと思ったら、一人の退役軍人の文章が過熱しているというだけのことでした。米国版タモちゃんかしら。
　冒頭の《衛星の画像分析者には、サッカーの知識も必要なようだ》というのも、なんかうまいことを言ってくれるのかと思ったら、衛星画像にサッカー場が写っていた、というだけのことでした。そりゃ、クリケットコートを見分けるためにはクリケットの最低限の知識は必要でしょうが、そんなレベルでサッカーの知識が必要だとか言われましても。
　《〔日本列島の〕「浮沈空母」化は国益》という小見出しがあって、これはかつての中曽根康弘首相（当時）による「不沈空母」発言を踏まえた地口で、防衛力を強化したり削減したりすることが国益なのだ、というような話かな、これこそうまい発言だな、と思いました。思ったのですが、読んでみるとどうも、中曽根「不沈空母」発言そのままの文脈でこの言葉が使われています。もしかしてただの誤変換？　わたしもあんまり他人のことは言えませんが、これはひどい。SANKEI EXPRESS校正部はなにをしているのでしょうか。野口記者の文章なんかどうせ支離滅裂だからちゃんと校正しても意味がない、と思ってそのまま流してしまったのでしょうか。それはそれで正しい判断だと思いますが……。かつての新聞協会賞受賞記者が、今じゃこんな扱いですよ。