黙然日記(廃墟)

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産経「正論」、ぶっこく。

解散総選挙で「真の救国政権」を - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/501406/
【正論】弁護士 衆院議員 稲田朋美 解散総選挙で「真の救国政権」を+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110408/plc11040802380006-n1.htm

 先日の阿比留瑠比記者による首相退陣勧告*1に続き、自由民主党衆議院議員稲田朋美氏からも解散要求が出てきました。国民の意見を代表する代議士ですから、その発言は重いものです。衆議院福井一区に、いまごろ反省していらっしゃる方がどのぐらいいるかわかりませんが。
 《救国内閣》といえば月刊誌「正論」の特集で「ぼくのかんがえたきゅうこくないかく」の特集があり、なぜか稲田氏の名前も挙がっていたそうで、「正論」欄でこのキーワードを全面に出してくるのは、調子ぶっこいているってことでしょうか。
 
 《外交、防衛上の問題が起きたとき、国家観を異にする政党との連立は国を危うくする危険がある》《“国家観なき野合”》というのは、どういうことでしょうかね。まさか、民主党菅政権が自衛隊を否定し領土を無条件で切り売りする姿勢だという前提なのでしょうか。(稲田氏にとって)残念ながら、実際にはそうは思えません。
 驚くのは、弁護士にして国会議員である、日本を代表するエリートの一人である稲田氏が、暴力装置」という学術用語をいまだに知らないらしいことです。どうやって司法試験に合格したのでしょうか。これが、単に知らないあるいは忘れているだけで、政権を批判するためのプロパガンダでなければいいのですが。
 大連立となれば総選挙の争点がなくなるという指摘はよいとして、《与謝野氏VS海江田万里経済産業相の東京1区と同じ構図》というのも、少し政治に関心のある人なら理解困難です。与野党で血みどろの争いを続けてきた与謝野馨氏と海江田氏が、前回選挙の後に同じ党派になったのは、争いに疲れ果てた与謝野氏が比例区などに転出するのが前提という見方が大半です。現職閣僚の激突という構図は、残念ながら見られそうにありません。稲田氏がよほど政局観に欠けているのでなければ(そういう可能性もかなりありますが)、これもやはりプロパガンダの一種でしょう。
 途中、段落を改めた上で《そして、あえて反省すべきは》という言葉が出てくるので、これは珍しく稲田氏自身と自民党の姿勢について反省が読めるのかな、と思ったら、これは「民主党議員がこう言い出すに違いない」という妄想でした。どうでもいいですが、連立三党マニフェストには「消費税を4年間上げない」とあるだけで、「議論も提案もしない」とは書いてありません。これを《マニフェスト違反》と決めつけるのも、やはりプロパガンダですかね。

 《大義なき連立》という点も強調しています。ところで、自公連立政権には大義名分はあったんでしょうかね。稲田議員の一期目は事項連立時代なので、責任がないとは言えません。公明党の綱領*2を見ると、とても自民党*3とは相容れないと思われる「生活重視」「地球民族主義」とイッた単語が目につくのですが。
 最後に稲田氏は、菅内閣は総辞職して選挙管理内閣を作り、選挙制度改革をしてからすぐに総選挙をしろ、と主張します。震災対応はその片手間にやれ、と。統一地方選挙を細緻では2ヶ月繰り延べてそれでも実施が危ぶまれる状況で、いったいどうやって総選挙をやり、国民の総意を得られると思っているのか、問い詰めてみたいものです。てゆうか大丈夫なのかこの人。

 さて、自民党の主張はこれでよくわかりました。ところで、産経新聞のどこを読めば、民主党(連立政権)の主張がわかるのでしょうか。