黙然日記(廃墟)

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産経抄子の心がけ。他。

産経抄】3月30日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/499872/
産経抄】3月30日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110330/dst11033003410006-n1.htm
 3・11以来、未曽有の大惨事と原発事故という国難に当たって、みだりに国家の指導者をあげつらうのはやめようと抄子なりに心がけてきたつもりだ。

 はあ。あれで、心がけてきたんですか。たしかに、産経紙面の他記事(デマを含む)に比べれば゛「産経抄」の政権批判は控えめだったかもしれませんが。今回と同じ「首相視察による初動の遅れ」について、つい昨日の「産経抄*1で書いていたのは、あれは遠回しな批判ではなかったんですか。事態は予断を許さないものの収束に向かいつつあるのは明らかなので、そろそろリーダー批判を解禁してもいいころかもしれませんか、産経が(少なくとも抄子が)あれで控えていたつもりだったとすると、これから虚実取り混ぜどれほどの一大キャンペーンが繰り広げられるのでしょうか。
 しつこいようですが、関東周辺の大地震で、当日や翌日に首相自身が原発の現地視察をするという慣例を作ったのは、2007年中越沖地震のときの安倍晋三首相(当時)で、視察後に微量の放射線漏れ事故が発見されました。あのときはたまたま大事に至りませんでしたが、初動の遅れがあったとしたら条件は同じだったはずです。軽微な事故か今回のような重大事故かは、結果論でしかありません。
 そもそも、12日の出来事をいまごろになって各マスコミ・野党がいっせいに攻撃を始めたのか、そこのところがよくわかりません。産経はいち早く報じたそうですが(どの記事かは不明、ていうか調べるのが面倒)、世間からはスルーされまくっていたわけです。状況が落ち着くまで、政権の足を引っ張るのはやめておこうとした誰か(マスコミや野党とは限りません)がいたということでしょうか。その点はたしかに、“よい心がけ”なのかもしれませんが。

防衛省 言論封殺通達、一部撤回 思いやり予算 年度内成立と引き替え - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110330/plc11033000490000-n1.htm

 いまだに《言論封殺》扱いですか。こんなもんで大騒ぎしてるあたりが産経らしいですね。他はともかく自衛隊という暴力装置が、政府批判に荷担するのが異常事態であることに、なんら変わりはないのですが。
 この問題について、「米軍の基地祭で、反基地派の来賓を招いて批判させる」という例を考えてみれば、自衛隊基地祭での政府批判がどんなに異常なことであるか、産経にもわかると思うのですが。

教科書検定反日的な記述残り  ロシア革命も肯定的+(1/3ページ) - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110330/edc11033021330011-n1.htm

 菅原慎太郎記者による記事。こんな見出しも産経ならではというか、他社ではまずお目にかかれませんね。南京大虐殺や強制連行や慰安婦やらについて、「記述は減ったがまだこれだけ残っている」という観点からの記事なので、逆に、今回の検定でどれだけあるべき記述から後退したのかがよくわかり、憂うべきものがあります。
 白眉はなんといっても、歴史教科書において神話についての記述がほぼ自由社版と育鵬社版にしかないという、想像を絶する記述でしょう。むしろ、コラムで扱った帝国書院清水書院を問い詰めたくなりますが(どういう記述かにもよりますが)、歴史教科書を神話から始めるのは、産経記者にとって当然の前提なのでしょうか。
 ロシア革命への評価も難癖としか言えませんが、そういえばまだ教科書には「マニファクチュア(工場内手工業)」とか乗ってるのかしらん。訳話わからず単語を覚えさせられ試験に出されましたが、今思うとこれは典型的な唯物史観で発展段階論の文脈でこそ意味を持つ概念でした。そのあたりには突っ込んでくれていませんね。理解してないんだろうなあ。