黙然日記(廃墟)

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羊に優しい産経抄。

 寝オチしてしまいましたが2月1日分です。

産経抄】2月1日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/489274/
産経抄】2月1日 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110201/mds1102010308003-n1.htm

 《その前日》つまり1997年11月17日というと日本サッカー界にとっては大きな……すみませんしつこいですね*1山一証券破綻が発表された日でもあり新聞休刊日でもあり、大変な一日でしたが、こうした大きな人的被害をもたらすテロと縁遠いことを、日本人として幸いに思わずにはいられません。《まだまだ幸せな国なのかもしれない》ではなく、本当に幸せなのです。
 日本の若者は生活の不満を政治に向けることがない、とよく言われます。それは“シラケ世代”から“バブル世代”にかかる我々がよく聞かされた言い方でしたが(そもそも生活に不満がないので政治に向きようがなかったのですがね゛遡って全共闘世代も全学連世代も、生活と政治は密着していませんでした(全共闘闘争の多くが学費値上げ反対運動をきっかけとしていますが、どれほど切実だったのかはわかりません)。戦後の「米よこせデモ」も主役は主婦であって若者ではありませんでした。そして21世紀に入り若者が搾取される時代になっても、「生活の不満」と「政治」は、そういう形では結びついていません。「肉屋を支持する羊」になってしまっただけです(今思いついた比喩。他人を「豚」扱いするのがなんだかなあ、と思うのと、毛織物屋を支持すればいいのに肉屋を支持してしまうとか、「内地の肉屋は羊に優しい」と思いこんでいるけれどジンギスカンブームで実はラム肉を売るようになったことに気付いていないとか、いろいろな意味を含めて)。
 この、飼い慣らされた羊たちが、生活と政治を結びつけないことに対して、抄子がどう考えているのかは、よくわかりません。エジプトのように暴力的なデモを起こせ、とは、思っていても言わないでしょうし、思ってもいないでしょう。警察様に余計なお手間を取らせることになるし、民族主義革命でもそこにサヨクが紛れ込むことをなにより恐れているからです。かといって、変革を求めていないわけでもないので、歯がゆく感じている様子もうかがえます。デモそのものに関しては、どうも否定的ではなさそうに見えます。そういう意味ではどっちつかずですが、あからさまに暴力革命を煽ったりするよりは、まだマシというべきなのでしょうか。

*1:当時は、街頭に出て騒ぐ習慣はありませんでしたねえ。2002のとき、各地でパブリックビューが行われたのがきっかけだったでしょうか。