黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経記事「学生なら落第点」。他。

 28日分です。

樺太の悲劇封印解く 映画「氷雪の門」36年経て公開 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/entertainment/movie/433385/

 ……いやいいんですけど、いったい何回記事にすれば気が済むんでしょうか。前回の記事*1は東京での上映、今回は9月からの大阪・神戸での上映を報じるものなので、別のニュースといえばそうなのですが。
 この記事を見て『樺太1945夏 氷雪の門』を観てみたいと思う読者も多くいるでしょうが、映画館で観る機会ができたとはいえ、単館上映なので劇場に行けない方も多いことでしょう。DVDはあいかわらず、世界日報系の通販サイトからしか入手できないようです。

日韓併合100年 「菅談話は誤った歴史認識」「学生なら落第点」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/433459/

 29日の併合100年を前にした、久保田るり子記者の記事です。表題のようなことを誰が言っているのかと思ったら、「専門家」「別の学者」「学者の一人」の皆さんでした。ソース秘匿原則が適用される内容でもありませんし、引用元をはっきりさせないと信頼性に欠けることは、言うまでもありません。一方で、菅談話を評価する側の学者は実名を挙げているのですが(ただしまったく取材はしていないようです)、いったいどういうつもりなのでしょう。
 それにしても、裁判所から「学問研究の成果というに値しない」と評価された東中野修道氏の著書や、現代史家の秦郁彦氏から「上杉謙信は実は女だった」というのと同じくらいの珍説」と言われた田母神俊雄氏の“論文”は、歴史認識の評価としてどういうことになるのでしょうか。

佐藤優の地球を斬る】イージス艦衝突 初公判に見る「自衛官の矜持」 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/trial/433331/

 一瞬「あれっ?」と思ったのですが、あたご衝突事件の初公判が、2年半を経た今月になってやっと始まったのだそうです。時間がかかりすぎる裁判には、批判があってもよいだろうと思います(もちろん、行き過ぎた拙速は許されません)。ただ、佐藤氏はここでそういう指摘はしていません。また、この事件では世論の後押しがあって、検察が自衛官の罪をでっち上げているのではないか、という指摘をしていて、これはいちおう傾聴するべきところです。
 しかし記事の主眼はどうやら、こうした事件では軍法会議にかけるような仕組みを作れ、というもののようです。軍事的な専門知識や守秘義務が関わるので一般の裁判にかけることは不適切である、という根拠を挙げていますが、ふつうの海難事故ですから。専門知識も機密も一切関係ありません。たとえ軍法会議の必要性を認めるとしても、自衛官が交通事故を起こしたら普通に裁判にかけられます。適切なケースとは思えないのですが。