黙然日記(廃墟)

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産経「主張」の不自然さ。他。

靖国菅内閣 戦没者を悼む心はどこに - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/427045/

 後回しにしていましたが、12日付「主張」。「どこに」とか言われても、千鳥ヶ淵とか武道館とか実家のお仏壇とかいう話になるだけで、九段以外に心を置く場所がないということはありません。また、別に近隣諸国への配慮だけではなく、一般の国民感情として、「あの戦争で犠牲になった兵士たちへの追悼」という心はあっても、「あの戦争を引き起こした張本人たちへの尊崇」の心はありません。
 日本人の信仰は便利なもので、たとえば菅原道真は死後、北野天満宮太宰府天満宮に祀られましたが、各地の天神様も道真への慰霊・尊崇を示す場所として、受験シーズンには参拝客でにぎわっています。いや別に日本人に限らず、ナザレのイエスに対する信仰は、イスラエルのどっかにある(一度埋葬されたときの)墓所に限らず、十字架などのシンボルと信仰心があればどこででも行えることになっています。そもそも国家神道に基づく戦没者追悼でも、靖国神社の他に各地の護国神社が存在し、それぞれの“英霊”は複数の場所に祀られているのです。亡くなって神となった人へ追悼の意を示すことを、特定の場所で行わなければならないというのは、伝統的な宗教的感覚にもそぐわない、人工的で不自然な考え方ではないでしょうか。日本武道館では柔道や剣道の大会が行われたり、声優のコンサートが開かれたりしていますが、8月15日という特定の日だけは、戦没者慰霊の場となります。あるいは将来武道館が取り壊しになって、場所が東京ドームとか有明ビッグサイトとかになったとしても(この時期にBSが使えないのは一部の人にとっては困りますが)、追悼の本質は変わりません。「靖国神社を参拝しない=一般の戦没者を追悼する意志がない」という不自然な決めつけを、参詣やその周辺はいつまで続けるつもりなのでしょうか。

中曽根議員会長 党再生へ清新さをみせよ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/427483/

 13日付「主張」。一野党の参院会長が替わっただけで、なんでこんなに興奮しているんでしょうか。中曽根氏というと、それなりに知名度も実績もあるのは承知していますが、やはり康弘大勲位の後継者という印象しかありません。あとは調べてみても創生「日本」会長代行や日本会議議員懇談会会長代行を務めているぐらいですが、そちら方面で特に目立った活動をしているという記憶もありません。あるいは、今後に期待ということなのでしょうか。もうそんな年でもなさそうなのですが。
 「 政権の暴走にストップをかけさせようと、民意が与えた衆参の「ねじれ」」というフレーズを、3年前に言っていれば立派だったのですがね。