黙然日記(廃墟)

はてなダイアリー・黙然日記のミラーです。更新はありません。

産経コラム、大暴れ。他。

【40×40】潮匡人 見かけ倒しの敬礼動作 - MSN産経ニュース
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100701/plc1007010725006-n1.htm

 いやもう大暴れ。やりたい放題。一見の価値があります。「全閣僚が国旗に敬礼したのは間違いなく俺様のおかげ」とか、「そんでもまだ足んねーぞ、真面目にやれ!」とか。官邸の誰かが、とにかくひたすらトラブルを避けたい役人根性丸出しに「なんかうるせー酔っぱらいみたいなのがいるんで、形だけでも頭を下げておいてください」と口添えした可能性はありますが。もっともこれは役人根性ではなく、自民党政権民主党でも保守系の鳩山政権時代に実現しなかった潮氏の願望を、“極左”のはずの菅政権で実現させてしまうという、一種の皮肉を目論んでいたのかもしれません。

産経抄】7月1日 - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/410360/

8強ならず 世界に示した日本の誇り - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/410364/

 まあそういうわけで、あらためて噛みしめてみるわけですが。このブログではたぶん今回が最後だと思うので、もう少しおつきあいください。
 「産経抄」の方は、「しょせん産経」というフィルターをかけれみれば、変に国粋的なまとめ方をしているわけでもなく、まあまあだと思います。日本代表は「敗れた」わけではなく、「トーナメントで駒を進められなかっただけ」ということは指摘しておきますが。敗れちゃねーんだよ! 
 1日付「主張」の方は、そのフィルターを最大に効かせてもまだ、どうだかなあという印象です。「日本流のサッカーを貫いた」と持ち上げていますが、組織的な首尾はたしかにその特徴ではあっても、本来の日本代表チームの伝統はそこに中盤の華麗なパス回しが加わり、決定的なラストパスを何度も送る中でチャンスを掴むというものでした。まあ、掴めないことが多かったんですが。今回の岡田ジャパンは直前でその伝統を捨て、死に物狂いで勝つためのシステムに切り替えるという大英断を下し、結果を出したのです。「ワールドカップは結果がすべて」ですからこれで正解なのですが、「我々のサッカーを見せることはできなかった」と岡田武史監督も述べています。このチームは、極言すれば本田圭佑選手一人の才能に頼ったシステムで、「それを支える組織力」という言い方はできても、本来の意味の組織サッカーではありませんでした。時代のストライカーが現れなければ、4年後はともかく8年後には大きな不安が残り、ストライカー不足はそれこそ日本代表の悪しき伝統です。本田選手は絶対的なエースストライカーとして、釜本邦茂選手と三浦知良選手以来なんじゃないでしょうか。20年に1人。
 五輪の金メダルは中国、米国と経済・軍事大国が占めているという指摘は、なんの意味があるんだかぜんぜんわかりません。なんで軍事なのよ。サッカーではたしかに、たとえばオランダのように人口も経済も比較的小規模な国があのような圧倒的な強さを見せることはありますが、基本的には競技人口に比例します。ていうか、たいていのスポーツで競技人口の底辺の広さがピラミッドの頂点を押し上げます。経済とはあまり関係ありません。
 経済との関係ををあえて言うなら、今大会の8強がこれからどうなるかわかりませんが、スペインの優勝に期待してみるのも面白いかもしれません。優勝→お祭り騒ぎ→内需拡大→国内景気回復→経済再生という読み筋です。

サッカー日本代表選手の年俸ランキング: ネット海
http://4ki4.cocolog-nifty.com/sea/2010/06/post-7202.html
■推定年俸番付

MF 長谷部誠 2億円
MF 中村俊輔 1億4000万円
MF 本田圭佑 1億3000万円
DF 田中マルクス闘莉王 1億2000万円
DF 中澤佑二 1億2000万円
MF 遠藤保仁 1億1000万円
MF 松井大輔 1億800万円
MF 阿部勇樹 1億円

 いきなりですが、一段落したところでちょっと下世話な話をしてみます。今回大会における日本代表メンバー23人中、1億円プレイヤーはこの8人。うち、長谷部、本田、松井各選手は海外組、中村、田中、中澤、遠藤、阿部各選手はJリーグです。中村俊輔選手以外はピッチでご承知のような大活躍を果たし、中村選手も豊富な経験でチームを引っ張る役割を担っていたそうなので、この評価は順当なところではないでしょうか*1。引用した部分には含まれませんが、川島永嗣選手(4000万円)や長友佑都選手(2500万円)のコストパフォーマンスは光りますね。ちなみに岡田武史監督も推定年俸1億円です。プロ野球では4億5千万円を筆頭に3億円プレイヤーがごろごろ、1億円だと68位というところなので*2Jリーグとは試合数に大きく差があるとはいえ、寂しい話です。いずれにしろ、他にかけがえのない才能と努力でここまでの実力をつけてきた選手たちについて、少なくとも「貰いすぎ」という印象はありません。

asahi.com朝日新聞社):「1億円役員」220人超 大日本印刷社長は7.8億円 - ビジネス・経済
http://www.asahi.com/business/update/0630/TKY201006290507.html
 ただ、株主への還元が進まない中での高額報酬には批判も強い。フジテレビなどを傘下に抱えるフジ・メディア・ホールディングスは29日の総会で、日枝久会長が1億7100万円、豊田皓(こう)社長が1億1600万円だったと開示した。だが、同社は10年3月期決算は減配だったため、株主から「配当に見合うよう、報酬を下げる考えはないか」との厳しい質問が飛んだ。

 で、日枝会長と本田選手あるいは長友選手、どちらが日本のために貢献しているでしょうねえ。ていうか、先日6月28日の「産経抄」が必死になって企業役員の高額報酬を擁護していたのは、そういうことだったんですね。自分のところは(たぶん)社長でもそんなに貰っていない、それどころかフジメディアグループに入れてすらもらえないというのに、涙ぐましい忠誠心であります。

*1:年俸はクラブが払うもので、代表としての実績・評価は、無関係ではないにしろ別の話なのですが。

*2:ソース:デイリースポーツonline http://www.daily.co.jp/baseball/koukai/2009/ranking.shtml