黙然日記(廃墟)

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産経「主張」、50年目の結論。

日米安保改定50年 共同防衛の実効性高めよ - イザ!
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/406437/

 これを言うと自分の無神経さをさらけ出しているようですが、50回目の日米安保条約成立記念日と65回目の沖縄慰霊の日が同じ2010年6月23日であることを、今日になるまで気づきませんでした。そもそも、日米間で最終的に安保条約の批准書交換を行った日が、偶然の要素もあるとはいえ、日米戦が終結したちょうど15年後、沖縄が米軍占領下にあった状況だったということですよね。もしかしたら、当事者たちはなにかの象徴的な意味(日米が軍事的対立を完全に乗り越えて協力態勢に入った、など)を持たせていた、少なくとも感じていたのかもしれませんが、どうも逆の象徴的意味しか感じられません。それは、「沖縄の犠牲」という視点があるかないかの違いだろうと思います。
 さて22日付「主張」は、安保条約50年の方でした。最初の部分では例によって、北朝鮮や中国の軍事的脅威を強調し、地域安全保障の観点から論じているのに、途中からは冷戦後に行われた日米安保再定義を軸にして話を進めています。現時点での日米安保の目的は、いったいどちらなのでしょうか。できるだけ広範囲に適用したいと思っているのか、体制の維持そのものが目的になっていて、口実を探しているだけなのでしょうか。対テロ戦争(正確にはテロリスト集団との対決)やPKOなど、世界規模の安全保障に対応するのが目的だとするなら、それは日米安保にこだわることなく、国連軍への参加という方向性であるべきではないでしょうか。自主武装と従米の両立を目指す産経の結論は、この辺になるのでしょうか。